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「パーマカルチャーウェイ」by マット・ビボウ

「パーマカルチャーウェイ」by マット・ビボウ

先月8月末に岡山への2度目の訪問をしてくれたポートランドの
パーマカルチャー伝道師、マット・ビボウが、
このメルマガのためだけに彼のパーマカルチャーのビジョンを語ってくれました。
その濃密濃厚な40分を全文日本語に訳してここに掲載。

パーマカルチャーっていうのは実践の話なので、
どうしても早く何か着手して行動に移さないと!
と思いがちなところではあるのですが、
焦って始めてはパーマカルチャー的に的外れになることも。

パーマカルチャー第一原則の「観察」にあるように、
その土地の背景や文脈を理解しないままに、
他の場所で成功していることをそのまま実践しても
全然うまくいかないかもしれないからです。

その上、パーマカルチャーはただの思想ではなく、
倫理に基づいて成り立っています。

詳しい説明はマットのプレゼンに委ねるとしまして、
パーマカルチャーを進めて行くにあたっての心構えも含め、
自然環境などの背景から、パーマカルチャーの基礎、
そしてポートランドのアーバンパーマカルチャー事情など
盛りだくさんな内容を語ってくれました。

とは言っても頭でっかちになりすぎたら何も動けないので、
壁にぶち当たったらとりあえず、実践、実験、
失敗してもそこから学ぶという精神も同様に大事です。
たくさん失敗していきましょう。

「パーマカルチャーウェイ」by マット・ビボウ

▼僕たちが子供たちに残すもの

僕たちには責任がある。
僕たちが暮らす惑星に関心を払うという責任が。
ここには息を呑むような自然の造形や複雑な生命層が存在していて、
それらは最先端の科学をもってしてやっと理解できて来ている。

それらの生命は当然海や森林の境界線に生息しているけど、
都市との境界線にも暮らしているよね。

僕たちは都市などの人工的な空間と、
僕たちを取り巻く自然環境が可能な限り親密に、
かつ調和に溢れた暮らしが出来るような方法を模索しなければならない。
現状のそれはハーモニーやバランスが保たれているだろうか?

完全にアンバランスだよね。
水は汚染され、動物達は毒されています。

僕たちはエネルギーに依存しきっているし、
地球を蝕んではエネルギーの確保に躍起だよ。
なんの為?って、乗り物に乗って遠くまで行けるようにね。

これらは本当に「素晴らしい世界」って呼べるの?
これが子供達のために残したかった未来なの?

子供達に残す土地は食べ物が育たない。
工場の垂れ流す汚染は農地を奪って行く。

子供達に残す水は汚染が酷くて病気や鉛中毒の原因になる。

子供達に残す大地は化石燃料を採掘するために生命は奪われている。
しかもそれは有害で信じられないような方法で行われていて、
ガスを多く含んだ飲み水は、火を近づけると発火するんだよ。(※)

※シェールガスの採掘現場周辺の地下水の汚染が原因だと言われている。

子供達に残すこれらオイルの運搬方法はとても危険で、
アメリカ単体で過去20年間に500件以上も漏洩事故を起こしている。

大地を掘り下げたり、地球を汚染したり、
危険なオイルを運搬したり、先住民の土地を伐採したりということに
異議を唱えて多くの人が立ち上がっているのは当然のことだよ。

でもこんな世界に住みたいって思うかい?
こんな世界を子供達に残していいのかい?
汚染の進んだ海なんかをさ?

石油会社は気候変動が起きていることを知っている。
なぜなら彼らが海上の足場の高さを高くして来てるからね。
でも彼らは心配する必要も恐れる必要もないと口では言っている。

▼食べ物が語る過去と未来

その昔、すべての川は自然のままに流れていたから、
魚達は自由に遡上することができた。

サーモンが紡ぐ文化はいつの時代もその土地と住人達を結びつけて来た。
季節に合わせて、様々なお祝い事が行っていて
サーモンが生まれた川に戻って来たときは、
命と食べ物のありがたさを喜び合ったいた。

しかし権力に取り憑かれた人間がやったことは
サーモンの住処を奪って、川をせき止めてしまったんだよね。

でもそれだけじゃなく人間はサーモンの養殖を始めた。
自然と乖離した環境で育ったサーモンは全く別物になってしまった。

すべてのものはインパクトを内包していて、
それは当然結果として現れてくる。

問題はどうやって地球のバランスを取り戻すか。
そして健康で幸せな生活を送るには何をすべきなのか。

その昔は、作物の収穫はストーリーと密接に関わっていて、
村中の人々がそれを口ずさみながら作業をしていた。

その昔は、それぞれの作物がそれぞれの物語を持っていて
収穫を祝うということは、命を祝うことだった。
過去の収穫の物語を語り継ぐ事で知恵を保って来たんだよね。
そんな物語が連綿と語り継がれて来たんです。

その昔は、私たちはとても親密に食べ物と繋がっていて、
その今まさに植えようとしているタネがどこからやって来たかも知っていた。

でも今はどうだろう。
散布された除草剤や殺虫剤の影響で畑の中を通り過ぎるのすら危険が伴う。

遺伝子組み換え作物の影響も広がって来ている。
普通の野菜を育てている農家は、どうやってその交配を防げばいいのか。

だからどんな未来を子供達に残したいのかって話。
食べ物が科学実験の賜物である未来か、
食べ物が命を賛美する物である未来。



続きは9月20日発行の三宅洋平メルマガ「感覚と化学」にて。
月々864円の初月無料。9月5日号も同時に届きます。
ボリューム満点でまだまだプレゼンは続きます。
http://www.mag2.com/m/0001679333.html