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三宅洋平×ソーヤー海×冨田貴史 共生革命三者対談 前編(動画&音声&テキスト)

三宅洋平×ソーヤー海×冨田貴史 共生革命三者対談 前編(動画&音声&テキスト)

2018年5月、6月に三宅洋平マガジン「感覚と科学」で発行したメルマガに収録の、
【三宅洋平×ソーヤー海×冨田貴史 共生革命三者対談(動画&音声&テキスト)】を無料公開スタート!

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後編はこちらから

【三宅洋平(以下:三宅)】
というわけで、『NVC』合宿、
今日もお疲れ様でした。

【ソーヤー海(以下:海)】
お疲れ様でした。

【冨田貴史(以下:冨田)】
お疲れ様でした。

【三宅】
5日間の行程かな?

【海】
まぁ6日間。

【三宅】
6日間の、
今日が3日目? 4日目?

【海】
3日目?

【三宅】
3日目が終わったところ。
分かんなくなる。

【海】
分かんなくなる。
ほんとになんか、1日1日濃すぎて。

【三宅】
濃い。

まぁたぶん3日目で、
ちょうどだから折り返しで、この今日の対談っていうのは、「NVCとはなんぞや?」っていうことを、もちろん伝えたいんだけど、
一方で、過度に説明的になったり、「ビギナー向けの入門編が撮りたい」っていうよりは、
まさに今、Now onで合宿をしてる僕らが「どんなことと向き合ってるか」とか、「どういうことと直面してるか」とか、
及び、「それをどう表現しているか」っていうところを、自分達のこの3日間のブレスト(ブレーンストーミング)も含めてやれれば良いかな、と思ってます。

よろしくお願いします。

【海】
Nice.
よろしくー。

【冨田】
お願いします。

【三宅】
さて、だもんで、「どうですか?」っていうビッグクエスチョンからだけど、この3日間。

例えば、いかにも『NVC』らしく、「チェックイン」してみるとか。

【海】
そうだね、良いと思う。

「チェックイン」の説明もする?

【三宅】
うん。
ちょっとしてみようか、じゃあ。

【海】
じゃあ僕から、簡単に。

僕の活動は必ずいつもミーティングとか「チェックイン」で始めるし、貴君もおんなじ。洋平君もするかもしれないけど。
やっぱり、やることよりも、在り方から始める。

「今、ここにいる人たちがどういう状態か」をチェックする、みたいな。

っていうのと、もうひとつは「ホテルにチェックイン」みたいに「このミーティングにチェックイン」と、「この場にチェックイン」っていうか。

やっぱり過去のことの流れに押されながら来てね、焦って到着したらその焦りのエネルギーのままみんなを影響してしまうから、
「ちゃんと今、ここに到着して、みんなの状態をチェックして、そのみんなの状態を優先しようよ。そのミーティングの議題とかよりも」っていうので、僕はいつも「チェックイン」をやってるけど。なんかそんな感じ。

【三宅】
ありがちなのは、遅刻して来てしまった人が、気まずさを抱えたまま、おずおずと場の末席に座って、
結局その負い目と引け目を何時間も引きずったまま、ワークショップの中に入り込めないと。

まぁ会社や学校でもそうかもしれないけど、これがたぶん日本社会に普通にありがちな現象だと思う。

だったらその「遅刻しちまった」っていうことを、もっとみんなで共有して、受け入れて、
で、「今、走って焦ってついてきた自分は、息も切れていて、汗もかいていて、ほんとは着替えたくて、そしてみんなに申し訳ないっていう焦りで、ちょっと今、話に入れてない状態です」って、
初めにもし言わせてもらえると、凄く全体にとっても、円滑なムードが生まれるっていう。そういうシェアのテクニック、だね。

【海】
そうだね。テクニックでもあるし、文化でもあるよね。

やっぱりなんか、うちらはいつも時間が足りなくて、やることがいっぱいあって、「とりあえずもう、やることをいっぱいやろう」みたいなところから、
「やることは常にいっぱいあるけど、うちらのこの集まりの価値、何を大事にするかっていうと、お互いの存在を大事にするから、一番最初は存在についてちょっと話し合おうよ」っていう。

だからそこが、俺は凄い面白いと思う。

やっぱりチェックイン文化は、ほんとに「存在を大事にする文化」だと思ってるから。

うちらの社会の標準は「存在」より「やらないと」っていうところに意識が向いてるから、結構そこで色んな人達が傷ついて、
なんか結局、「誰の為にもならない、いっぱい色んなことをやってしまっている」っていう。

だからなんかやっぱり、
結構ディープな意味があると思う。

もしかしたら『NVC』の説明も、基本的にはもうそれがベース、みたいな。

とりあえず、「今ここにある存在を大事にする練習を毎日、一瞬一瞬やってみる」っていう。自分を含めてね。

【三宅】
自分を含めて。非人間化してしまいがちな、その対象。命として、ちゃんと見つめてあげるっていう。

【海】
そう。

「ロボットじゃねぇんだよ!!」っていう。

【三宅】
まさに。

【海】
なんでキレたのか分かんないけど。

(一同 笑)

【三宅】
その嘆きは、みんなあると思うし。

じゃあ、「チェックイン」してみようかな。

【海】
うん、やってみよう。

【三宅】
じゃあちょっとフリついでに、
冨田貴史君「チェックイン」してもらっていいすか?

【冨田】
あ、俺から? はい。
「チェックイン」しまーす。

そうだね、今、身体の状態でいうと、
なんだろうな、結構疲れが蓄積してる感じ。

結構、身体の疲れもあるけど、
なんか「ひとりひとりが無防備になってる」っていうか、「オープンになっていく」っていう中で、自分もオープンになってるから、凄い心の振れ幅っていうのが大きくなってる、お互いに。

でも、その中で暮らしも存在してるから、
「暮らしを大事にしながら、ひとりひとりの存在を大事にする」っていうことのチャレンジをしてて。

そのなんか「チャレンジをしてることによる心の疲れ」みたいなのが結構あるかな。

「有意義なことをしてる時に起きる、心の筋肉痛」みたいな。

なんか「それ」がある。

同時に、凄くその周りの人達が「存在」として自分を大事にしてくれてることも感じるし、
目の届かないところがあっても、誰かが誰かをケアしてるっていう感覚が凄くあるから、
「疲れてるけどそれをみんなに目撃しててもらえてる」
「ジャッジなく目撃してもらえてる」っていう感じがあるから、
「温かい疲れ」みたいな、なんかちょっと新しい感覚の疲れを感じていて。

だからなんか「清々しい感覚が同時にある」っていう。

かな?

【海】
Nice.

【三宅】
ちょっと今、「静けさのニーズ」があるんで、冷蔵庫の音を切ってくるね。

【海】
OK. いきなり出てきたね。

【三宅】
今、ちょっと要所要所ちりばめてますからね、『NVC』を。

【冨田】
「ニーズ」っていうね。

(洋平、冷蔵庫の電源を切る。モーター音が止む。)

【海】
あぁ良いね。

でもなんかやっぱり、
こういう「チェックイン」とかさ、『NVC』やっていくと、こういう微妙なストレスとかに、意識が向くようになるよね。

【三宅】
そうだね。

【海】
冷蔵庫の音が、普通だったら鳴ってて気にならないけど、せっかく貴が大事な心のことを話してるのに、いきなりいらない音が出てくると、やっぱりそっちに気が取られてしまうというか。

気付いたりするの、ありがとう。

【三宅】
と同時に、
回し始めたカメラの前で、「司会ポジションの俺はここに居続けねばならない、っていう社会的な雰囲気」っていうのかな、
それを突破するひとつのきっかけとして、「僕は今、静けさのニーズがある」っていう、自分のニーズをあえて明確に言語化することで、その行動をありにできるっていう。

まさにそれも『NVC』なんだよね、っていうとこで。

今、冨田君が言ってた・・・まぁ僕は普段「冨田」って言ってるんですけど、番組上「君」を付けないと、僕がやな奴だと思われるんで(笑)

【冨田】
ほんと? いいんじゃない?(笑)

【三宅】
いいか(笑)

今、冨田が言ってくれた話っていうのは、状況を説明すると、僕たちは今、千葉県いすみ市の、海君が主宰してる『パーマカルチャー平和道場』で合宿をしてるんだけど、
30人を超える参加者たちが日々、人によってはもう古民家の母屋で寝起きも共にして、ごはんも作るところから共にして、 その中でワークショップも、っていう意味で、ほんとに今、「暮らしを一緒に」っていう。そこが凄くポイントだよね、今回のね。

OK. じゃあ海君の「チェックイン」をしますか?

【海】
OK.

僕はね今日は、自分が中心的な企画者でもあるのにも関わらず、「1日休む」っていうことをやってみて、凄いすっきり。

昨日の夜はもうほんと、やっぱり企画し過ぎ・・・まぁ「企画し過ぎて」っていうか、色々やり過ぎて、もう疲れて頭もガンガンに痛くて、なんかもう全然、今日やる気がなかったから、
やる気がないまんま色々ワークショップとかやるよりは、しっかり休んで、ちょっとチームの他の信頼してる人たちに委ねて、「俺は休む」っていう選択肢で、凄い気持ちいい感じで今は居て。

あとは、「貴君と洋平君がいる」っていうのは、凄いワクワクしてるし、
こうやって話すこともね、年に数回しかないから。ほんとは「もっとあるといいな」と思うけど。なかなか、みんなの動きが1個の場所に集まることはないから。

だからまぁ、この一緒に話せてるワクワクと、「もっと話したいのに」っていう、ちょっと軽い残念さと。

あとは、なんかちょっと「夢が叶った」っていうか、ずっとこの『パーマカルチャーと平和道場』を夢見て、
2011年(福島第一)原発事故があって、パーマカルチャーのアメリカの楽園(ワシントン州オーカス島のブロックスパーマカルチャー農場)から日本に来て、『東京アーバンパーマカルチャー / Tokyo Urban Permaculture / TUP(*)』立ち上げて、

(*)https://www.tokyourbanpermaculture.com

この、「次世代をトレーニングする場所」。やっぱりほんとに「答えを生きる人たちを増やす場所」っていうのを作りたくて、それをほんとに・・・
4月1日に9人の人が住み始めて、その1週間後、30人の合宿。しかも凄いディープな合宿をやって。
俺の尊敬してる先生とか仲間も呼べるだけ呼んで、共同で、もうライブで作るみたいなさ。

なんか一瞬カオスみたいな世界なんだけど、やっぱり今までの「普通」を全部取っ払って「普通じゃない、本音の世界を作ってみようよ」っていうお誘いだから、なんかちょっと「恐い部分もある」っていうか、何が起きるか分かんないけど。

でも、やっぱりここまで上手くいって、
みんなも、さっき貴君が言ってる「疲れは、みんなきてるけど、何かほんとに美しい疲れ」っていうか、「これだよね、うちらの成長したい方向って」っていう。

それができてるから、それが超満足してる。

で、ひとつだけ。さっき紹介で「パーマカルチャー平和道場は海君が立ち上げた」って言ってたけど、それで「ウッ」とか思っちゃって。
「色んな仲間と一緒に立ち上げた場所で、それもしっかりみんなに、みんなの存在も知ってほしいな」っていうので、
だからほんとにコアで5人以上の人たちが動いてて、もう何百人の人で作り上げてる場所だから、
俺はなんか一番、髪の毛デカくて(アフロヘア)、存在もデカい看板男なんだけど、実際に作ってるのは大勢っていうさ。

まぁここにいる2人、その作ってる仲間たちとやってるっていうね。「直したかったな」っていう。

そんな感じかな!

【三宅】
YAHMAN.

【海】
YAHMAN.

【三宅】
ありがとうございます。

俺は、そうだな。
今の状態は、若干「花金」状態。

結構この3日間で、自分なりの立ち位置でエネルギーを使って、
なんか疲れが1個ピークを超えて「ハイ」っていう。

金曜日の夜、状態。

(一同笑)

ウィークデイ終わった途端に、元気になっちゃった、みたいな。

もう1個は、やっぱり「NVCハイ」。

ここまで無防備に、自分の中に存在する傷みや、嘆きや、祝いや、喜びを、半分以上は初めて会う人たちとの中で、
でも「この人たちなら、ちゃんと受け取ってくれる」っていう信頼関係が、この短い時間の中で築かれていった上で、凄い解放されてる自分っていう「ハイ」。

あとは体調的には、そういう意味では「疲れてるけど元気です」みたいな感じで。

で、3回目の合宿なんだよね、僕はね。この2年で。

アメリカツアーも入れると、4回目の『NVC』との深い付き合いだと思うんだけど。

毎回、自分の中の成長を感じるし、問われるし、「自分の居かた」を凄く注意深く見るようになるし、
例えば俺は、声がデカいっていうことをカンフル剤として場に提供する時と、邪魔してしまう場合とのさじ加減とかを・・・ 1回目は、もうひたすら自分の嘆きを聞いてもらったりで、暴れまわって帰ったけど、
でも徐々に、その場所を作る側に自分がまわっていったり。

初めて『NVC』を受ける人が、ある部分で戸惑いを見せた時に「分かるよ」っていう。「俺もそこで最初、引っかかった」。

【海】
最初、凄かったもんね(笑)

【三宅】
うん、そう。

だからなんかそう言う意味じゃ、やっぱり俺や冨田みたいなリピーターの存在を、今回の声かけの中で、海君たちが結構重視してくれたっていうのは、
たぶん、トレーナーとワークショップを受ける人たちっていうところに、もうひとつ繋いでくれる存在が欲しかったと思うし、
そのことで今回、なんか今までの合宿の中でも、俺が参加した限りでは、「凄い多様さが受け入れられる状態になってきてるな」って思って。そこに凄い喜びを感じてるかな。そんな状態です。

まぁ、こういうことをやるのが『NVC』で。会社、学校、バンドでも「これができたら良いなぁ」とは思う。

なかなかね、照れくさいんだよね。

【海】
そうだね。

最初は結構「自分の生の気持ち」とかを話し合ったり、「その奥にある自分が欲しいもの」とか、「ほんとはもっと話を聞いてほしかったんだよねぇ」とか、「ちょっとまだ、今ひとつ信頼できてなくて、だからほんとは言いたいことを言えないんだよね」みたいな、
それくらいの「生の声を話し合える関係性」っていうのは、うちらの社会ではお酒を飲んだりしない限りは、ほとんど無いから、それがやっぱりね。

最初そういう場にいると、なんか違和感を感じるし。いきなりワークショップ中に泣く人とかは、普通。

よくティッシュ箱がいっぱいあって、「別に泣いてても全然いい」って、そういう場なんだけど、もう常に誰か泣いてたり。

僕の活動でも、普通のミーティングの「チェックイン」のところで泣き始めたり。

なんかでも、「そういう感情表現をしていいんだよ」みたいな。

うちらは人間で。
人間っていうのは感情があって。
感情が実はうちらの世界を動かしてるもの。

やっぱり戦争とかも結局、「怒り」とか「憎しみ」っていう感情があるから。

冷静に戦争に行くんじゃなくて、
感情に動かされてるから。

ただ、うちらの社会が、
なんかそこを排除しようとしてて。

で、結局、「感情はあるのに排除するから、そこには触れられない」みたいな。

「冷静になれ」みたいな感じのところを出そうとするから、そこの違和感で、ちょっと恥ずかしさが出たり。

まぁ特に男だとね、そもそも「泣くな」とかね。男が出していい感情表現って「怒り」くらいなんだよね。なんか、残念なことに。

だからやっぱり、「そこを出す」っていうのは、なかなかハードルが高いものだけど、出せるようになると「自分の全体性を取り戻せる」っていうか。

今までの「強い男でしか俺はいられない」っていうところから、やっぱりでも、恐いものはあるし、トラウマもあるし、その「弱い自分」も、今まで俺も潰してきたけど、「出てきていいよ」みたいな。

そろそろ、もう安全な場を自分の中で作り始められたし、そういう仲間も来たから、「ちょっとじゃあ、泣いてみようかな」みたいな。そこが俺は凄い美しいと思う。

自分の人間性を取り戻す。

【三宅】
昔でいえば、多分色んな国の社会の中でも、例えば「宗教」であったりとか「村」っていうコミュニティー自体がそういう機能を持って、そういう「嘆きを受け止められる社会」であったりとか、今よりあったんだよねって思ったりして。

で、今、海君の「チェックイン」で言ってた、ワークショップをリードする立場にある海君自身が、今日は自分の休息のニーズと向き合うことにした。

それって多分、日本的なリーダー像としては凄くある種、勇気のいる決断。

「おいおい」「あなたに呼ばれて来たのに」「お休みですか? 今日は」「俺たち何しに来たんだよ」ってなりかねないところを、
もちろん他のトレーナーとのコンビネーションと協力で、そこを補い合って、1日が成立して。

でも、なんか俺は「まさにそれがNVCだ」っていうことを見せてるな、とも思った。

「休み方に決まりはないし、私という人間がそのニーズに凄く今向き合っている、ということは決して軽んじるべきではないし」っていう、なんかそういうスタンスを、「休む」ということを決断することで見せてくれてるな、とも思ったし。

だからなんか結構、リードする人がカオスに陥ったら、それもちゃんと「いや、僕は今凄い、上手くできてないことにイライラしてる」とか、
「みんなからの信頼を感じれてないっていうことに、今凄くアップセットしてる」っていうことを、またそこで「どうパッケージングして伝えるか」っていう、そこがまさに『NVC』だなぁって思う。

【海】
まぁ、一緒に教えてる仲間も、結構やっぱり信頼してる僕の先生でもある人たちで、
やっぱりなんかその、エネルギーを保つのは結構難しいんだよね。

どうしてもなんか普段のやり方に戻っちゃうから、「リーダーは強くて、スケジュールは決まったことをこなすっていうものなんだ」みたいなさ。

俺がスケジュールを作って自由自在に変えるんじゃなくて、スケジュールが俺をハメていく、みたいなさ。その「時間通りにいく」とかさ、そういう世界に一番浸ってきたから。

だから、やっぱりそういう仲間がいると、「あぁ、うちらがここでやろうとしてることは、なんかこういうテクニックを教えるんじゃなくて、在り方を体現すること。
で、それはやっぱりみんなの前で、その自分の無防備さをちょっと出してみる」っていうか、「自分の途中過程を、もう全部見せちゃう」みたいなさ。

「俺もなんかバシッとファシリテートしたいけど、めっちゃ緊張してる。緊張してるのは、ほんとにみんな俺のこと、俺の話を聞きたいのかも分からないし、伝わってるのかも分からないし、そういう不安があるんだよ」っていうところからスタートしていい、っていうのを仲間がリマインドしてくれるし。

あと、仲間の在り方もやっぱり・・・ひとつ衝撃的だったのは、一緒に教えてる4人トレーナーがいるんだけど、その1人が一番最初のみんなへの自己紹介で、「今、私が、このNVCを教えることに意味があるのかちょっと分からない」。

えぇぇ!? えぇぇぇ! ? いきなりー!?
みたいな(笑)

みんなにそれを教えに来てるのに、
みたいなさ。

で、さらに、
「このリトリートの最後までいるかも分かんない。途中で帰るかも」みたいなさ。

えぇぇぇ!? っていう。

なんかさ、普通で考えるとあり得ないけど、でも、それはその人の本音で、やっぱり本音を出す練習の場だから、これは凄いディープなメッセージだし。

やっぱりさっきさ、冷蔵庫のあれを取るみたいに、なんかやっぱりその、うちらが今まで作った「こうあるべきだ」とか「こうでならない」っていう、誰が決めてるのか分からないけど、 誰かが「そうだ」って言って、
うちらが勝手にそれを内在化? インターナライズしてしまったことを壊していくっていうのに、凄いパワフルな社会変革のパワーがあると思うんだよ。

受け継いだおかしなことを、「私はここでやめた!」って。

で、それをも実践するっていうところに、凄い今までみんながコンクリートで固めてしまった現実が、そこにヒビが入り始めて、
ちょっとずつそのコンクリートの檻(おり)が壊れていくと「あぁ、なんでもありじゃん!」みたいな。

で、全部にある意味、可能性っていうのは無限にあって、何を選んでもいいんだけど、
でも、コンクリートの檻から出るってことは、全ての言動に自分が責任を取るっていうその生き方を選ぶってことだから、やっぱりそれもヘビーだよね。誰かのせいにできなくなるから。

俺がやったことは俺が選んだことで、それに伴う結果は俺のもの、っていう。

だから凄いディープだし、なんかそこに「非暴力:Nonviolent」って、
「Gandhi(ガンジー)」の『サティヤーグラハ』。「真実にしがみつく」みたいなさ。

俺は真実を追求して、
それはかなりディープな大変な修行の道だけど、でももう嘘は生きない。

俺は人間。

俺には感情がある。

その感情に動かされてる。

それをみんなに知ってほしい。

それがリアルと。

【三宅】
それが社会のベースにある世界を作りたいよね。

【海】
で、そのミクロを、今まで「合宿」って形でね。

まぁ最初は「ワークショップ」っていう形で、貴君と何回かやったし、それで洋平君とか誘って。

で、合宿はやっぱりもっと、その世界がひとつの文化という形で体験できる時間を取りたかったの。

6日間だったら、ワークショップっていう異空間だけじゃなくて、そこにちゃんと生活が。

【三宅】
コミュニティーだよね。

【海】
そう。コミュニティーができるし、そのコミュニティーの、普通だったら出さないものがだんだん出て来始めて、崩れて、また秩序がカオスから生まれる、みたいな。

まぁ一番カオスだったのが、うちらが最初に、鹿児島で(笑)

【三宅】
鹿児島ね(笑)

【海】
またその話は長いんだけど、伝説のね。

で、今、道場で、それが暮らしとして存在する場を作ろうとして。

そこに貴君が来るっていうのは、やっぱり貴君は凄く「暮らし」をディープに追求してきた人だし、非暴力を生きてきた人だと思ってるから。

今まではどっちかって言うと話す世界。暮らす世界を今、融合してて、その実験を道場っていうところでやってて、多分それが今後の方向性。

なんかじゃあ、「平和を実践する世界ってどんなものか?」のモデルを作ろうとしてる。

で、そこに来れば、今まで通りの世界と、この平和を、真剣に平和と向き合って、その生き方を実践しようとしてる人たちと出会える場所を作ろうとしてる、っていうそのスタートだね。

【三宅】
まぁどのくらい僕らが「社会」とか「学校」とか「親」とか「家庭」とか「文化」っていう「力」の中での影響を受けて「いつのまにか決めてしまっていた、色んなことの中で生きているか」っていうことは、
『NVC』で自分をどんどん無防備にさらけ出していくと「あっ、俺はそんなことで突っかかってたのか」「いや待て、そんなことだと思ってたことが、どんどんデカくなっていく」
「こんなことだと思ってたことが、実はこんなもので俺を防いでいて、だから俺はこういう行動を取ってきてたんだ」っていうところが、見えてくる。

うん、なんかまぁ凄く心理学的でもあるし、宗教的でもあるし。

【海】
まぁスピリチュアルだよね。

【三宅】
そうだね。

【海】
ほんとにもう魂まで、
なんか入っていく何かはあるよね。

【三宅】
だから時に凄く、勝手に自分の自尊心を物凄く揺さぶられたり、「俺はそういう風に生きてきちゃったのか」って、一瞬自分の人生をなんか否定する感情が生まれてきたりとか。

でも『NVC』が俺、好きなのは、「いや待てよ、お前のその悲しみや嘆きにこそ、お前が共感してあげないで、誰ができるんだよ」っていう。

「まず自分を癒せるのは自分だし、じゃあ君が人に荒んだ態度であたってしまうのは、まず自分の痛みを自分が認めて、あるいは自分の頑張りを自分が褒めてあげれてないからじゃないの」っていう投げかけも非常に多い。

ふとその冷静さを思い出せる時に、NVC用語では「ジャッカル」っていう言い方をするけど。

【海】
狼ね。

【三宅】
狼の自分が、
感情的に突発的に反応的に出てしまう。

【海】
「クソったれー!!」みたいな感じでね。

【三宅】
弱いものを守る為にだよね、多分。

だから、「そういうクセ付けをどれくらい自分がしてきたか、トレーニングしてきたか」っていうことを、見つめ直せるから。

これはだから、
凄く自尊心を揺さぶられる。

だから俺はね、海君が「僕も毎回、全然できないなと思ってる。修行だと思ってやってる」って言った時に、
なんか一番最初に『NVC』に対して違和感・抵抗があったのが、「修行」っていう言葉で俺はスッと入ったんだよね。

「あぁ、修行か」って。

なんかそれってある意味、
まさに「NO」っていうアンサーを、自分が問いかけた何かに対して「YES」ではない答えを受け入れる準備のできてるスタンスだな、と思って。修行。

「上手くいくか、いかないか分かんない。できないかもしれない。一生かかっても悟れないかもしれないけど、俺は修行だと思ってトライするんだよね」っていう。

それ結構、最強の答えだなと思ってて。

「そんなことできるわけねぇよ」とか言われるわけじゃん。「人間なんてね、そんな風にできてないんだよ、甘い」とかさ、言いがちな社会の中で、
「いや分かってるよ。だから修行だと思ってやってるんだよね」っていうの。

どうすか? 冨田的に。今回のこの「暮らし部門」での関わり方っていうところでは、ワークショップにどっぷりっていうよりは、みんなのごはんのケアの部分とか、みんなでごはんを作る場作りとか。

まぁ今日は、味噌作りも同時並行して。

【海】
凄いよね(笑)

【三宅】
だから「何やってるんだろう?」とか思って(笑)

(一同 笑)

ハイパーワークショッパーたちの、ワークショップフェスティバルみたいな。

【海】
詰められるだけ詰める、みたいな。

「茜染めもやる」って最初言っててさ。「味噌と茜染めダブルで」みたいなさ。

「やりたいけど6日間でできるかな?」みたいなさ。

【三宅】
その辺のさ、ちょっとだから関わり方が、ワークショップに入り込んでるみんなとは一歩違うところで、
多分それゆえの祝いと嘆きを抱えながら参加している、っていう中ではあると思うんだけど。どうなんですかね?

【冨田】
うん。そうだね、まぁなんか前回、千葉で「安房パーマカルチャーセンター」で合宿があって、去年の今頃。

で、洋平君も俺もいて、海もいて、みたいな。

なんかあの時に、凄いそのトレーナーの(鈴木)しげこさんとかが言ってくれたのが、まぁ俺と洋平と両方に言ってくれたんだと思うけど、
「肩書としてオーガナイザーとかじゃなくても、そこでリーダーシップをとったりできるっていう在り方で居てくれたことが嬉しかったし、新しい可能性を感じた」っていうことを言ってくれて。

そこからの流れで、準備からずっと関わって、「全体をどうデザインするか」みたいな話し合いとかを重ねて、今回入ってるんだけど。

うん、そうだね。なんかね、まぁ最初から結構ドキドキしてた。

やっぱり「活動が暮らしを犠牲にする」っていう嘆きが、結構僕の中では大きくて。

自己犠牲的な活動になってしまったり、または暮らしの中にそれを取り込むっていうことの難しさを感じてしまったり。

なんか、「合宿からまた現実に戻らなきゃいけない」みたいな、その苦しさを感じる人もいたりとか。

そういうことって、歴史的にも根深いもののような気がしてるんだよね。

「活動と暮らしのバランス」って言うと安っぽいけど、とにかくそこにある微妙なグレーゾーンの部分をどうにかできないか、みたいな。

飯を作る「べき」とか、早めにごはんを食べる「べき」だと思う、みたいになってしまう瞬間っていうのが、ファッと湧いてくるんだけど、「あぁ、これが俺の中でよく起きてることなんだ」みたいな。

ギャグっぽく言えば「養生すべきだ!」みたいな。

でもそこで、
「いや俺は、「べきだ」って言ってしまうくらいに、強くそれを願っている」っていう自分のその願いにも繋がれるし。

そう思うようになった、きっかけの中にある、凄い悲しみ。

それは「活動」ってさっき言ったけど、それは「仕事」だとしてもそうで。

僕にとって凄いやっぱり強烈なのは「仕事をしてるから、被ばくするのを分かってても、移住できない」とか。

そういう、「命に貢献する為に仕事があるのに、仕事を優先・大事にすることによって、いつのまにか、命が犠牲になってしまう」みたいな。

でも、その気持ちも、本当。

つまり、「そこで仕事をしようとする。被ばくすることは分かっていても、そこに残ろうとする」っていう人も「何か凄い大切にしたいものがあって、そこにいる」っていう。

なんか分断をたくさん見てきていて、
僕もそこに実際入ってたから。

その自分を今、凄く見てる。
この3日間の中で。

で、「それが見ることができる環境」っていうのは、多分そこにいるメンバーひとりひとりが真剣に「共感」っていう世界と「存在」っていうものを大事にし合おうとしてるから、俺もそれをいちいち正直に言える。

「俺は今、凄い、この時間に飯食うべきだってなってるんだよね。でもそれは違うとも思ってて。
でも、なんでそう思うか? っていうと、俺はほんとにみんなが早めにごはんを食べ終わって、その後ゆっくり休むことも大事だと思っていて、休んでほしいからなんだよね」とかっていうことが言えることで、こじれてたものがちょっとずつ紐解かれているのを感じるし。

同時にやっぱり、それによってほどけた糸で新しいものを編み込んでるっていうことが今、暮らしの中でも凄く起きてる感じがしていて。

しかもその編み込みは、編み手がいっぱいいるから、俺はその完成形を分からないで、一緒に編んでるみたいな。

それがほんとのライブで、ルールとか、しきたりとか、スケジュールとか、プランではない形で今、新しい文化を作ってる。

「文化」ってやっぱり「アート」だと思うから、アートは「即興性」と「スピリチュアリティー」と「インスピレーション」と「存在」の組み合わせだと思うから、
それが今、起きてるっていう感じの感覚が一番でかいかな。

【海】
いいねぇ。

今、貴君の話聞いて、
やっぱり「何が根本的に違うか?」っていうと、やっぱり命ベースで動くんだよね。

命ってその瞬間にしかないから、その瞬間の命の声を、うちらは自分の声を聞こうとするし、周りの声を聞こうするし。

で、必ずしも上手くはいかないんだよ。

でも、「それを聞き合おうよ」っていう前提の元で一緒にいるから、後出ししてもいいし、今出してもいいし、「できるか分かんないけど、姿勢としてはなるべくキャッチしたい、そこを大事にしたい」っていうので。

さっき言ってた仕事の話とかも、「命をちょっと横に置いて、とりあえず金がないと生きていけない」とか、
「周りの近所関係のしがらみがあるから、だから、ちょっと自分の本音を置いておこう」みたいな感じで、みんなが本音を置いていくと、本音の無い社会ができちゃって、それが物凄い苦しみを生んでしまってる。

それはやっぱり、
うちらの中にもう入っちゃってるから。

だから、うちらがやろうとしてるのは、ほんとその瞬間の命を祝って、
で、やっぱりどんなやっぱりブチギレて「クソったれ!」って言っても、その「クソったれ!」って言った人を潰すんじゃなくて、その「クソったれ!」の奥の美しい命を見ようとする、みたいな。

その奥に、何をあなたは大事にしようとしてるのか、みたいな。

それだけ強い感情が出るってことは、その奥に絶対あなたが凄い大事にしてることがある、みたいなさ。

で、そこと、「リスペクト」かもしれない。そこと繋がるとその人も解放される、みたいなさ。

「そうだよ! 俺はリスペクトが欲しいんだよ!」みたいな、「俺もそうだ!」みたいな感じで、やっぱりそこから。

今まで、どんどんうちらが隔たりを作ってしまった社会。全部細分化されて、みんなも。分断モデルの社会じゃん。

で、みんな敵じゃん。ある意味。

その中から、だんだんみんなが味方になっていって、みんなやっぱり自分のベストを尽くそうとしてる。

ただ、うちらに酷いモデルを子どもの時から教えられてるから、結構やっぱり「ベストがあんまり理想に近づけてない」っていう現状があって、そこをやっぱりちょっとヒーリングして、アンラーニング(Unlearning:学習や記憶を意図的に棄却することで、整理や新たな発見を生む「学びほぐし」)。

学びほぐしていって、今まで学んだことをちょっとずつ捨てていって、新しく本当に自分の為になる、自分らしい生き方。

それを取り戻す冒険を一緒にしてるんじゃないかな、って。

【三宅】
キーワードは「共感」だよね。

【海】
うん。「共感」だね。

【三宅】
結局「エンパシー(Empathy:共感)」、点と点。

後編へ続きます

三宅洋平マガジン「感覚と科学」

三宅洋平メディアの中心円となるメルマガ!2度の選挙フェスを経て、音楽と社会をつなぐメインフィギュアとなった三宅洋平マガジン。
彼の目に映る政治のリアルなど、ここでしか語られない話、彼と仲間達による政策アジェンダの遂行、パーマカルチャーな実践や見聞の旅、様々な社会活動報告、バーチャル討論会まで。 頭の中身から音楽まで、最速出しのチャンネル。

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