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NAU放射線測定レポート 2016.12.25「千葉県松戸市の公園3箇所」(後編)

NAU放射線測定レポート 2016.12.25「千葉県松戸市の公園3箇所」(後編)

千葉県松戸市の公園の放射線測定会レポート、後編では「あかしあ公園」と「川向公園」の測定の様子および、測定後のデータを地図上にプロットする「マッピング作業」の様子をお届けします。

前編の第一測定場所「あおぎり公園」では、いきなりホットスポットを発見してしまったNAU。「本当にあるんだ、こんな身近に・・・」というショックを隠しきれないまま、DELIさん率いるGWSチーム案内のもと次の測定場所へ向かいます。

レポート前編はこちら

第二測定場所「あかしあ公園」

DSC01695「あおぎり公園」から300mくらい移動し、次の測定地「あかしあ公園」へ。DSC01684先ほどの測定で的を得たNAUメンバー、早速公園の端からホットスポット・ファインダーで測定開始。積極的に茂みに突入していきます。DSC01697タブレットに現れる数値の見方も慣れてきました。DSC01689GWS土壌採取のベテラン谷口さん、無駄なく要点箇所の土壌採取を進めていきます。DSC01701ホットスポット・ファインダー、ハンディ測定器、測定キット、ツイキャス。陣形を組んで公園を練り歩くNAU測定チーム。外から見ていた住民の方達の目には怪しく映ったことでしょう。笑DSC01706個人の活動で「測りまくる」を既に実行しているSugar Natさん。彼はハンディ測定器を持ち、これまでの経験と勘で的確にホットスポットを発見していきます。DSC01712見つけたのは、この植え込みにポカンと開いた隙間。写真では分かりづらいですが、DELIさんの足元あたり、盛り土がしてありました。DSC01714ここが地面に直置きで1.16μSv/h、地表50cmでは0.284μSv/hでした。高濃度です。
(※測定高度についてはページ末尾「補足」をご覧ください。)
DSC01720道路と公園の堺に位置しているこの場所。DELIさんの予測では、ここに盛られた土は「側溝に溜まっていた泥を公園に除けたもの」だそうです。近隣住民のボランティアによって町の整備として行われた結果、側溝に溜まっていた放射性物質が一箇所に集まって「濃縮」してしまう事例がよくあるとのこと。

こうした、生活上の何気ない行動がホットスポットを作り出してしまう可能性がある。身を守るために、放射性物質の性質を学び、溜まりやすい場所を感覚的にも掴めるようになることが大事だなと実感しました。

結果「あかしあ公園」の基準値超えは3箇所。いずれも公園の端の茂み・植込みに存在していました。

※以下GWS提供の「あかしあ公園」の放射線マップです。水色→黄色→赤色の順に線量が高くなります。茶色の丸は土壌測定ポイント。クリックすると各ポイントの数値が確認できます。

第三測定場所「川向公園」

DSC01732「あかしあ公園」からさらに200m移動し、最終測定地「川向公園」へ。DSC01736こちらではNAUのカッシー君が公園をくまなく練り歩きましたが、基準値超えの箇所は発見されませんでした。

※以下GWS提供の「川向公園」の放射線マップです。水色→黄色→赤色の順に線量が高くなります。茶色の丸は土壌測定ポイント。クリックすると各ポイントの数値が確認できます。

測定後のマッピング作業

DSC01763市民測定所を営むCANさん指導のもと、測定データの分析とマッピング作業を開始。DSC01765ホットスポット・ファインダーは測定データを「KML」という形式のファイルに書き出すことが出来ます。それをGoogle Map等に読み込ませると、ご覧の通り。地図上に数値データが並びました。

データは1秒ごとに記録されていますが、そのまま出力すると地図がピンだらけになってしまいます。出力時に例えば「30秒ごと」に設定してデータ数を絞り込むことも可能。用途に応じて、後から見せ方を調整できるのもホットスポット・ファインダーの便利なところです。DSC01775こうやって航空写真上に数値を並べてみると、より具体的にイメージが湧きますね。本記事中に表示されている各公園のマップも、航空写真に切り替えて表示することが出来るのでぜひお試しください!

測定を終えて 〜三宅洋平×DELI対談〜

全ての作業を終えて、DELIさんと三宅洋平で1日の振り返りをしました!DELIさんが2年間測定して感じてきた疑問、自治体に投げかけてみた時の反応の変化、苦労したことetc. そしてGWSとNAUの今後、放射能とどう向き合っていくかについて16分強のプチ対談です。ご覧ください。

放射能汚染とどう向き合うか

初めての測定で、3つの公園中、2つの公園でホットスポットを発見してしまったNAU。ようやく3箇所目にして「ホットスポットが存在しない公園」を見つけたことになります。

半径300m内にある3つの公園で、ホットスポットが存在する公園、存在しない公園がありました。同じ公園の中でも、端の植込みなど局所的にホットスポットが発見されました。この事からも、平均値や「この地域は安全」という大きな括りの情報を鵜呑みにしてはいけないことが分かります。

放射線をただ怖がるのではなく、何もなかったかのように無視するのでもなく、自らの手で測定して、自らの生活圏の実態を知ることが大事ではないでしょうか?どこが危険か分かれば、自治体に除染を依頼することができます。それが叶わない場合でも、危険箇所を避けて生活することで被ばくによる影響を減らすことができます。

「誰もが身近な公園や、学校、農地などを測定できるように」

近日、都内でホットスポットが点在すると言われているエリアの空間線量測定を実施します。また、NAUスタッフに縁のあるエリアで自治体に申請した上での土壌採取も計画中。「測りまくる日本」を体現すべくNAUのアクションがスタートしています。引き続きご支援ください!

補足:除染基準について

除染実地計画は基本的にはその自治体ごとにガイドラインに沿っておこなうものとなっており、環境省が発表している「除染関係ガイドライン (平成25年5月 第2版)」には以下のような記述があります。

その区域の平均的な線量を把握することが目的なので、樹木の下や側溝等、局所的に線量が高い可能性のある地点は測定地点としない。
(1-9 「除染実施計画の策定区域を決定するための調査測定方法」より引用)

原則として地表から 1m の高さを計測します(幼児・低学年児童等の生活空間を配慮し、小学校以下及び特別支援学校においては 50cm の高さで計測しても構いません。
(1-20 「測定機器の使用方法」より引用)

これが国の定めた基準です。着目すべきは「平均的な線量」であり局所的な汚染は見ないものとされています。また、子供の生活空間を配慮した地表50cmは「計測しても構わない」という扱いで、推奨されていません。

もちろんこれは除染する区域を決定するための目安となる数値ですから、大きな目的には添っているのかもしれません。しかし、そこで生活する住民の立場に立ってみれば、この基準では抜け穴があるということがお分かり頂けるかと思います。