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【テキスト版】三宅洋平×DELI対談 〜放射線測定in松戸を終えて〜

【テキスト版】三宅洋平×DELI対談 〜放射線測定in松戸を終えて〜

放射線測定を終えて 〜三宅洋平×DELI対談〜

2016年12月25日に千葉県松戸市で実施した放射線測定会、終了後の対談をテキスト版でお届けします。

測定会レポート前編はこちら
測定会レポート後編はこちら

【三宅洋平 (以下/三宅) 】
こんにちは。

【DELI】
こんにちは。

【三宅】
今日はお疲れ様でした。

【DELI】
お疲れ様でした。

【三宅】
いやーもうやっぱり「GAMMA WATCH SQUAD」といえば、この「OAKLEY」のゴーグルをするところから始まるっていう。格好から入って上等っていうね。目は守らないといけません。

はい。「測定はちゃんとした装備でしましょう」っていうのが、「イロハのイ」なんじゃないかと思います。大事そうな話をなんかあんまり大事じゃなさそうにしてますけど、三宅洋平です。

今日は僕らNAUチームで初めての、ホット・スポット・ファインダー試運転みたいな感じで、松戸まで来て「GAMMA WATCH SQUAD」の皆さんと一緒に一日動いて、道具の使い方などを教えてもらいました。DSC01699どうですかね? こんな感じで、NAUが東京を測っていくっていうことに関して、DELI君的に期待するところってのは?

【DELI】
いや、もうそれは、三宅洋平の言い出しっぺっぷりの、やっぱりパンチ力?

【三宅】
(笑) そこまで? 言い出しっぺ、DELI君じゃなかったっけ?

【DELI】
いやいや、僕も言い出しっぺですから、だから僕は言い出しっぺより、リーダシップで。

【三宅】
リーダしっぺ。

【DELI】
はい(笑)

【三宅】
だいたい気が付くと、言いだしっぺになってることが多いよね。そう。

【DELI】
でも本当、僕が例えばじゃあ、「松戸測り終わったから東京測る」っていうのは、またちょっと違うと思うんですよ。やっぱり住んでる人が。

僕とか三宅洋平は選挙のとき多分、同じようなこと言ってたと思うんだけど、やっぱり、「お客様感覚だったりおまかせ民主主義から脱却しようよ」って言ってたのと一緒で、やっぱり自分の住んでいる環境のこととかを、やっぱり自分達で知って判断する。あるいは、選択する。

で、選択ができないんだったらその選択肢をつくらせるっていうところまでを、こっち側がどんだけ主体的に、能動的にやれるかっていうことは、別に放射能のことに限ったことじゃなくて、全然今の、多分、これからの社会に必要だなと思っているわけじゃないですか。

で、多分、放射能のひとつの、まあきっかけというか、「放射能のことをきっかけに、そういうことをやってみようよ」っていうのもあるんですよ、GWSって。

だからそういう意味では、「東京に住んでる人たちがやっぱり東京のことやり出す」っていうのにすごい意味があるなと思っているわけです。

【三宅】
やっぱり実際に数値化されてホットスポットが出たりすることで、非常に分かりやすい危機感も生まれるし、やっぱり東京がすごくアンニュイだと思うから。

松戸ぐらい物事がある程度、ね? 「出るとこじゃ何万ベクレルも出てます」とかっていうのがはっきりしてればまだしも。東京はすごくそこがアンニュイなんで、より測ってく意味があるのかなと思うんですけど。

ちなみに今日、測るっていうことを触ってみて、実際高さによっても全然出る線量が違うから、そこに土壌に何かがあったとしても1メートルで測ってたらわからないかもしれないし。でも、今、国の基準では1メートル。

【DELI】
0.23ですね。

【三宅】
0.23マイクロシーベルトパーアワーっていう数字になってるんだけれども。これに関しては、この2年測定を繰り返してきたDELI君の感覚としては、「やっぱり1メートルだと、ほぼわかんないよね」っていう感じなんですか?

【DELI】
多分、これは、半分は僕の勘繰りかもしれないんだけど、1メートルぐらいだと、まあちょうど。例えばすごい高濃度の線量が、総量が少なくても高濃度の線量があった場合って、50センチぐらいの高さだと割と出るんだけど、1メートルの高さいくともう区別できなくなったりするわけよ。すごいちょうどいい高さなの。だから、ある意味そういう臭いものに蓋をできるちょうどいい高さに設定されてるんじゃないか? っていう勘繰りもありつつ。DSC01707じゃあ1メートル以下の50センチとかのところに大事な脳みそとか、吸い込む鼻、入口の鼻だったり口だったりがある子どもたちが遊ぶ公園も1メートルでもいいの? とかは、いくら国がリスク管理をするのにこういう風に設定しているっていう今、それを僕らはこう、あれされてるけど。「えっ? ほんとにこれでいいのか?」ってことを、測定とかしながら多分、そういうところには想像力は働くわけじゃないですか?

で、あくまでもその、「1メートルでしなさい」っていってるのは、ガイドラインなんですよ。ガイドラインってそれより甘くしちゃいけないだけで、自治体ごとにそれより厳しくすることはできて。松戸なんかはだから、公園は1メートルと同じように50センチで0.23超えてたら除染します。

だから、そのように自治体ごとに、実はその運用は変えられるものだから、やっぱり、そういうことを測りながら、「1メートルの高さでやっても全然実際リスク管理できないじゃん、この街では」っていう市民がたくさんいて訴えかければ、その運用も変わってくるわけだから。

ま、国ではそうしてるし、本当はその国のルールを、「実態に伴ったリスク管理になってない」ってことを訴えるのも大事なんだけど、やっぱり、自治体ごとで住民が動いて行政を変えるってことも一方ではできるよっていうのも、あると思うんですよ。

だから、「1メートルがだめだ」っていうのだけで終わってると何も変わらないじゃない? だから、1メートルで全然いいと思ってないんだけど、やっぱりさっき言ったみたいに、それをどういう風に自分達の中で、選択肢を増やしていくか。

実態がわかんなかったら対策もできないし、実害も風評もわかんないわけじゃん? だからそこらへんをやっぱり、行政がやってないことを、できてないことを、基準にしても、法律もいっぱい不備はあると思うんですよ、放射能に関しては。

さっきも話したけど「特措法」っていう、いわゆる「臨時法」で今、放射能に関しては管理してるけど、本来公害物質なんだから、環境基準超えれば本当はちゃんとした「環境法」に基づいて、ちゃんと濃度だったり総量を規定して、「これ以上環境にあっちゃいけませんよ」って、いったらちゃんと処理がされなきゃいけないわけなんだけど、放射能だけほかの六価クロムだとかアスベストとかそういうのとは違う扱い今、受けちゃっている、されちゃってるから。そのあたりも、きちんと法整備させるのも大事だし。

その、「1メートルはどうなのか?」っていう問題も本当は全然良くはないんだけども、やり方っていうのはいろんなやり方があるんじゃないかってのを、計測とかしながらだと、いろんなそういうアプローチが思い浮かぶんじゃないかなあと、僕は思います。

【三宅】
実態としては、行政の人たち自身も、例えば、「なんでそこが線量が高いのか?」とかっていうことを、あんまり把握できてない可能性も高いのかな? 例えば、「L字溝にあるものを掃除の人が盛り土してるから、ここは高いんだ」とかっていうこと自体は、行政の人はおおむね把握できてる?

【DELI】
これ本当ね、「すげえくだらないな」って思うんですけど、すごいこれ放射能のことだけじゃないと思うんですけど、結局、役所の担当者って2〜3年に1回代わるんですよ。

で、実際、「公園緑地課」とか「環境部」とか。「公園緑地課」って公園管理しながら、「街づくり部」っていう部なんですね。で、環境基準とかを設定してる、そういうものを要はアドバイスしたりするのは「環境部」っていうところだったりして。で、学校は市の「教育委員会」でしょ。

で、この人たち、ずーっと震災以降からいる人、いないんですよ。で、それこそ4月の度に、課長とかも替わっちゃうわけじゃないですか? そうするとその度に、俺もう2年なんだけどもう二人替わってて、「今年4月から僕、課長なったばっかりなんです」って言うのね。で、「え?」って感じじゃん? それ普通、民間の企業でそんなの通用する? っていう。

【三宅】
引き継ぎは? って話だよね。

【DELI】
そう。で、役所ごと、役所にはそういうのは結構往々にしてあるらしいの。

【三宅】
それが言い訳になっちゃってるんだね。

【DELI】
そう。だから、それを普通に言ってくるから、「いやいやいやいや、それ市民からしてみたら関係ねーし」っていう。

【三宅】
うん、うん。なるほどね。

【DELI】
だから、そういう本当にくだらない理由かもしれないけど、そういう引継ぎがちゃんとされてないんですよね。

【三宅】
まあ、そういう行政の仕事っぷりっていうのも、この件を通してよく見えてくるし、と同時に多分、「法律を変える」とか、「行政の体制を変える」っていう何か外側からの大きな圧力も大事なんだけど、「じゃあ住民としてできないことってのはそんなにないよね?」ってところで、やっぱり、「ホットスポットファインダーを自分らで実際使ってみる」とか、「50センチを自分らで測ってみる」とかっていうことを通して、多分、突き上げだけじゃなくて情報提供もできるだろうし、行政の人たちに対して、「こうやって動けばもっとこういうことがよくわかるよ」っていうことを、市民がもっと協力をするっていうスタンスとしても、この測るっていうことは、なんか、「出ましたよ、おらぁー!」っていう突き上げだけでもだめなんだろうし、多分そこはDELI君が、一番近い距離でこの2年やってきてることだと思うんだけど。ま、最後はでも行政の人にもわかってもらわないと。

【DELI】
そうですね。やりながら言ってると文句言ってるだけじゃなくて、多分、行政の方も、「まあこの人たちもこれだけやりながら言ってきてるんだから」ってやっぱり、リアリティーあるじゃないですか? だからやっぱり無下にはできないはずだし。

もう市民測定所なんかも、ある程度、今、充実してきてるから。例えば1個の公園、「自分の子どもが使ってる公園の遊具とかを5ポイント測りたい」って言ったら、例えば1か所2,000円でも1万円ぐらいじゃないですか? じゃあそこの公園使ってる3人とか5人とかの親が、一人2,000円とか3,000円とか出し合ったら、できちゃうわけじゃないですか? 極端な話。土取って測るなんてことは。

だからそういう意味でも、2011年とか12年とは今はもう、こっちが能動的に動いた場合には、それなりに自分も情報だったりを得るような環境は整ってきてるから、そういうところはちょっと、アンテナを張って欲しいなぁっていう。

だからそういう意味では、僕らとかがやることで、「あ、なんだ、それで自分の使ってる公園の実態知れるんだ」っていう。そしたら、「別に行政に言わなくても、俺たちでやっちゃおうよ」っていう奴が出てきてもいいし。俺らの住んでる街なんだから。dsc01587【三宅】
今日、結構印象的だったのは、隣のテニスコートでテニスしてたおじさんたちが「何やってるの?」って言って興味持ってきて、なんか2011年〜12年頃は、多分、こういう計測活動も、なんか変な目で見られたりとか、「何やってんだよ」っていう空気感が、なんか今、逆に、「放射能測ってるんですよね」って言ったらすごい興味津々だったし。なんか、「ご苦労さん」って言って、すごい街の人たちもやっぱりこの情報に関して興味もあるし、こういう活動自体を受け入れる雰囲気っていうのが、関東でも徐々にゆっくりできてきてるような気がした。

【DELI】
そうですね。俺らやっぱり見かけが怪しいんで。最近ほら、ママさんとか若い女性の人とかがいると、もうそれだけでちょっと話しかけられやすい雰囲気を、空気ができあがるんで、やっと最近なんとかそういう怪しまれないで。

【三宅】
(笑) 怪しまれない。

【DELI】
最初、「君は何者ですか?」って、市の人にも言われたんで、僕ら。こういう恰好してね、マスクしていきなり変な機械、「ピーピーピーピー」鳴らしながらの歩き出すから。

【三宅】
また、「ピーピーピーピー」いうからね、あれがね。

【DELI】
すげー最初怪しまれましたよ。だからいまだに、「そんなこと議員の仕事じゃない!」とかって怒鳴られることもあるし。まぁ様々ですけど。

【三宅】
うん。でも、いまやね、あのおじさん、朝のおじさんみたいに、DELI君のそういう議員活動の報告を受けて、自分でもそういうことを気にするようになった人も出てきてるしね。やっぱり市議会議員であるっていうことの信用ってのは、すごい一歩一歩着実に状況をつくってってるなあと思って。

あとね、振り返りとしては、平井有太マンの個展に昨日行ってきて、彼が使ってた言葉ですごく印象的だったのは、「この5年で生まれた福島への汚染地、被災地に対する謎の遠慮と距離、その隙間、特に南とか西日本に住んでる人たちには、福島との間にすごく大きな隙間が空いてしまっていて、やっぱりそれをいま福島で何が起きてて、みんながどうがんばっていてとか、あるいは土壌をスクリーニングしたらこんな結果が出たっていうデータであるとかを通して、やっぱりその隙間を埋めていきたい」っていうことを、彼がすごい言ってるのが印象的で。

で、俺は結構それは、東京と千葉でもそういう距離感ってあるだろうし、千葉と福島でもあるだろうし、で、それを埋めていけるのってやっぱりこうやって測定をして、はっきりさせていくこと。で、やっぱり漠然と恐れてたものが、「そこは大丈夫で、ここは危ないんだ」とかっていうことが可視化されていくことで、すごく議論にも落ち着きが生まれてくると思うし。

あとはそれを巡って、「10メートルのところにホットスポットがあるところで、ここは安全っていう場所で子どもを遊ばせるのがオッケーなのか?」「いや、もう10メートルのとこに危ないとこがある時点で、私はいやだ」っていう価値観とは、また少し時間をかけて、いろんな話をしてかなきゃいけないだろうなあとは思うんだけど。

なんか今日も、「それは西の感覚だね」とかっていうキーワードも何回か出てきて、やっぱり俺はそこも、また隙間があるなあと思って。やっぱりそこが、お互い何を恐れてて、何を不安で、何が不満でみたいなところのニーズを、みんな見極めて、情報を出し合っていかなくちゃいけないだなあと思った。

【DELI】
やっぱり今はね、判断材料が少な過ぎるんだと思うんだよね。本当に「カロリー」とかと一緒でさ、「えっ? それカロリー摂り過ぎだよ」っていう人が、「これはどれぐらいのカロリーの物で」ってわかってて、お互い話してる話じゃん? 「いや俺はこれぐらいオッケーよ」っていう。でも、放射能の場合はさ、それがわかんないわけじゃん? この公園がどれくらい汚染されてんのか。

だからやっぱり、まず実態をまずみんなが共通認識を、「実態がどうなってるか?」っていう共通認識を持つことから、そこから各々が判断だったりとか、価値観だったりとかのところにいかないと、まずそこがあやふやなところで、お互いの価値感とかのところを責めちゃうと、まとまりがなくなっちゃうというか、話になんないだよね。

【三宅】
話になんないよね、そうだね。ただの分断、対立構造になっちゃうから。

なんかまぁ実際、「1ベクレルってなんだっけ?」とかっていうのもだし、「セシウムに換算したら1億3,000万個くらいの塊らしいよ」とか、そういうことも知ってるか知らないかだけで、1ベクレルっていう表現も変わってくるだろうし。

最後にちょっと、今後っていう意味で、来年もちろんNAUの方でも東京を測っていくとか。僕はちょっと、「農地を測りたいなあ」と思って、それはどうもこの短い間でも、公園測るより農地を測る方が難しいんだっていうことはわかってきたんだけれども、やっぱりそれはちょっとトライしたいなと思ってて。DSC01725で、あと来年やっていきたいなと思うのが、PLANET ROCKはもう200個以上の公園を測ってきて、データを積んできていて。で、実はそういう測定を、食べ物に関しても土壌に関しても、市民測定所がこの5年間積み上げてきてる。だけど、一般的にその情報がうまくパッケージングされてないなぁっていう部分が、すごくもったいないと思ったので、やっぱりなんかそこの、どういう風にパッケージングして、情報を一般市民にアウトプットしてくか? っていう部分も、ひとつ来年のテーマとして、みんなで取り組んでいきたいなと思いました。よろしくお願いします。

【DELI】
よろしくお願いします。

【三宅】
はい。今日はそんな感じでですね、日曜日、世間はクリスマスと呼ばれてる日ですけれども、僕らは朝からばっちり計測サンタやってきました。

引き続き、僕らも道具の使い方に慣れてですね、皆さんになにかこう東京の現状とかをスムーズにお伝えできるように、努力していこうと思っています!

2年間で200個の公園を測った、松戸市議会議員、ラッパーDELIさんでした! ありがとうございます!

【DELI】
ありがとうございました!