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【3分で読解】紙1枚で集団的自衛権を可能にした安倍内閣のあまりにも無謀な根拠詐称 〜今すぐできる!臨時国会で追及するためのアクションリスト付き〜

【3分で読解】紙1枚で集団的自衛権を可能にした安倍内閣のあまりにも無謀な根拠詐称 〜今すぐできる!臨時国会で追及するためのアクションリスト付き〜

2015年9月、テレビや新聞で、民主党(当時)の若手議員が自民党のベテラン議員から殴られるという衝撃的な映像が報道されました。BBCやアルジャジーラなど国外メディアまで取り上げたこの異常事態。殴られたのは、先日の憲法フェスに登壇してくれた民進党の熱血漢、小西ひろゆき参議院議員。

彼が積み重なる議員の上にダイブして、殴られながらも成し遂げたかったこと、それは「”戦争法案”を通過させない」というその1点でした。委員会での議事進行をくい止めるため、マイクと議事次第(進行表)を取り上げようとしたのです。

「戦争法案」とも呼ばれた「安全保障関連法案(安保法案)」。その中でも最大の焦点として注目された「集団的自衛権の行使容認」は日本国憲法を揺るがすものとしてその是非が問われました。この集団的自衛権を認めるという閣議決定に、安倍政権が隠し通したい、大きな落とし穴があったことが小西議員の手によって明らかにされ、大きな問題になろうとしています。

本記事では、その落とし穴を可能な限り分かりやすい形で明らかにし、皆さんにご説明していきたいと思います。これを武器に、集団的自衛権の行使容認が憲法違反であることを示し、それを良しとした安倍政権の根拠詐称を追及することが出来ます。文末にはそのための具体的なアクションも示しました。どうか最後までお付き合いください。

その根拠は、昭和47年に作られたたった1枚の文書

「集団的自衛権と憲法の関係性について(昭和47年政府見解)」資料の表紙

「集団的自衛権と憲法の関係性について(昭和47年政府見解)」資料の表紙 (クリックすると全ページPDFで開きます)

2014年7月1日、歴代すべての政府が60年以上「違憲(憲法違反)」としていた集団的自衛権の行使容認を、安倍政権は、憲法の解釈を変えることで「合憲」として、閣議決定しました。

憲法解釈を変えるにあたり、安倍政権が「合憲」の根拠として提示したのは昭和47年に内閣法制局が作成した1枚の文書でした。これから、その文書が根拠としてはあまりに不十分であるという事を順に示していきます。

まず、この「昭和47年政府見解(以下、47年見解)」には次のようなことが書かれています。

「この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は容認される。」

「外国の武力攻撃」とはどういう場合を想定しているのか?

歴代すべての政府は、この「47年見解」に書かれている、「外国の武力攻撃」という一文を「”日本に対する” 外国の武力攻撃」と解釈していました。しかし安倍政権は「”同盟国に対する” 外国の武力攻撃」も含まれる、と解釈を変更したのです。

外国の武力攻撃
= 日本に対する外国の武力攻撃
+ 同盟国に対する外国の武力攻撃??

「外国の武力攻撃」が、誰に対する攻撃なのか明記されていなかった。であれば「同盟国に対する攻撃も含まれるであろう」という自らに都合の良い解釈をしてしまった。これは例えるなら「好きです」と書かれた宛名の無い手紙を道端で拾って、自分宛てのラブレターだと思い込むようなものです。

小西議員がこの疑問点を内閣に投げかけてみたところ…

2015年6月11日の小西議員と、現・安倍内閣法制局長官の横畠氏のやり取りをご覧ください。

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小西議員
「昭和47年見解を作ったときに、限定的な集団的自衛権行使を容認する法理(法の論理)が含まれていたのかどうか?」
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横畠氏(現長官)
「法理といたしましてまさに当時から含まれている」「そういう考え方を当時の担当者は皆持っていた、ということであろうとお答えをしている」

・・・つまり、横畠長官=安倍内閣は「47年見解を作成した当時の担当者が”同盟国に対する”外国の武力攻撃も含まれると考えていた」と言っているわけです。さて、それは本当なのか?

「47年見解」を作成した人達は当時どう考えていたのか

この「47年見解」には当時の内閣法制局の3名の判が捺されています。長官の吉國氏、次長の真田氏、第一部長の角田氏、この3名の国会答弁が残されているので抜粋します。

3人とも「外国の武力攻撃」という一文に「同盟国に対する外国の武力攻撃」が含まれるとは考えていなかったことが分かります

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吉國一郎氏
「憲法第九条の戦争放棄の規定によって他国の防衛までをやるということはどうしても憲法九条をいかに読んでも読みきれない。」「わが国が侵略されてわが国民の生命、自由及び幸福追求の権利が侵されるというときに、この自国を防衛するために必要な措置をとるというのは憲法九条でかろうじて認められる自衛のための行動」 (1972年9月14日の国会答弁)
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真田秀夫氏
「連帯的関係にあったからといってわが国自身が侵害を受けたのでないのにかかわらず、わが国が武力をもってこれに参加するということはこれはよもや憲法九条が許しているとは思えない」 (1972年5月12日の国会答弁)
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角田禮次郎氏
「集団的自衛権につきましては全然行使できないわけでございますからゼロでございます。」「集団的自衛権は一切行使できない。」「日本の集団的自衛権の行使は絶対できない。」 (1981年6月3日の国会答弁)

唯一ご存命の角田氏が現・長官の発言に異を唱えた

「47年見解」作成から40年余、唯一ご存命の角田氏も誌面上で異論を唱えました。

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角田禮次郎氏
「横畠君(現・法制局長官)がそう言っているの?そういう分析をした記憶はないし、そういう理解はなかったと思いますね。ここに書かれている『外国の武力攻撃』は、『日本そのものへの攻撃』のことです。日本が侵略されていないときにどうなるなんて議論は当時なかった。これを解釈改憲なんて夢にも思っていなかった」 (2015年8月28日 週刊朝日)

識者も本件に関して厳しく指摘

元最高裁判事の濱田氏、元法制局長官の宮崎氏、日弁連の伊藤真氏も、安倍政権による「47年見解」の読替えに厳しい指摘をしています。

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濱田邦夫氏
「四十七年の政府見解の作成経過及びその当時の国会での答弁等を考えますと、政府としては、明らかに外国による武力攻撃というものの対象は我が国であると。これは日本語の読み方として、普通の知的レベルの人ならば問題なく、…それを強引に外国の武力攻撃というのが日本に対するものに限られないんだというふうに読替えをするというのは、法匪という、つまり、字義を操って、法文そのものの意図するところとは懸け離れたことを主張する、これは悪しき例であると、とても法律専門家の検証に堪えられないと。」 (2015年9月15日の国会答弁)
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宮崎礼壹氏
「『外国の武力攻撃』とある表現には我が国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃も含むと読めると強弁する……これはいわば黒を白と言いくるめる類いというしかありません。」 (2015年6月22日の国会答弁)
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伊藤真氏
「四十七年意見書の当時から限定された集団的自衛権は認められていたというようなことは、あり得ません。当時の吉國長官答弁及び防衛庁政府見解によって完全に否定されている」 (2015年9月8日)

しかし集団的自衛権行使容認を含む法律は施行されてしまった…

政府が根拠と言い張る文書が、その効果を果たしていないことが以上のように明確でありながらも、2016年3月29日、集団的自衛権の行使容認を含む法律「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(平成27年9月30日法律第76号)」は施行されてしまいました。

この歴史的な「根拠詐称」を追及することは出来ないのでしょうか?

決戦は次の憲法審査会!

チャンスは9月26日から開かれている臨時国会で、間も無く開かれようとしている「憲法審査会」です。2015年6月の憲法審査会では、3人の憲法学者が憲法違反を訴えましたが、「学説上の認識である」として政府が引き下がることはありませんでした。

しかし、この「47年見解」の読み替えは、明らかな意図を持って行われた根拠のすり替えです。この1点を追及することで、安倍政権の誤ちを厳しく追及することができます。これを覆せるかどうかは、あなたのアクションにかかっているのです。

与野党が、衆院憲法審査会を月内にも再開することで一致した。審査会で実質的な審議が行われるのは、昨年6月以来となる。(中略)立憲主義に関する認識は、昨年の安全保障関連法の審議で、政府の憲法解釈の是非を巡って、与野党対立の論点にもなった。(2016年10月19日 読売新聞社説)

憲法審査会は10月内に再開される見通し。もう時間がありません!!

根拠詐称を追及する具体的なアクション

とにもかくにも、まずは「知ってもらうこと」必要なのは「世論を盛り上げること」そして「メディアや野党に動いてもらうこと」です。

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小西議員
政治家の事務所にですね、同じ用件で、ある日10通手紙がきたら、これ間違いなく届きます。(中略)「それをやったら我々は最大のエールを送るよ」という事を、直筆の手紙を送るなどした場合、やはり届くと僕は思います。是非、アクション起こしましょう。世論作ってきましょう。(2016年9月9日 憲法フェス東京)
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三宅
憲法審査会で何が起きてるか、これからほんとに注目して、僕らが憲法審査会で何を話してほしいか、まるでラジオ局にFAXを送るようにですね、リクエストを送ってくような時代にしていくべきだと思います。(中略)世論がやっぱり国を動かすんだな、っていうことは今回もすごい確信しました。(中略)あとはこれを誰がキャッチして、世の中に伝えて、それを国に突き付けてくれるかを、もう期待するしかないんですね。(中略)だからやっぱり主権は在民なんです。国を動かすのは民だぞ、と。(2016年9月9日 憲法フェス東京)

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【2】各メディアに「取り上げて欲しい」と依頼する

テレビ・新聞・雑誌社宛に電話・メール・FAX・手紙などでアプローチ
※「編集部●●様宛」「論説員●●様宛」など具体的な部署や名前が分かるとより効果的です。

【3】野党各党に「憲法審査会で追及して欲しい」と依頼する【最重要】

A.野党議員および党首宛に電話・メール・FAX・公開書簡などでアプローチ
※次項で紹介している記事のプリントや新聞コピーなどを添えるとより効果的です。

B.野党議員の事務所を訪問して直接訴える
※本人不在でも秘書・スタッフの方に面会記録を残していただきましょう。
※次項で紹介している記事のプリントや新聞コピーを持ち込みましょう。

衆議院の憲法審査会 委員名簿
→ 公式発表の一覧を見る
→ 事務所所在地&連絡先付きの一覧を見る (随時更新中)

参議院の憲法審査会 委員名簿
→ 公式発表の一覧を見る
→ 事務所所在地&連絡先付きの一覧を見る (随時更新中)

<参考> 陳情(請願)の具体的な方法を記載した記事
地方議会は国に文句を言う権利がある (明日の自由を守る若手弁護士の会ブログ)
→ 本文を見る

本件を取り上げた記事紹介

朝日新聞と東京新聞が本件を社説で訴えている他、オンラインメディアや週刊誌も大きく取り上げました。しかし、一見すると難解な内容と取れることもあり、世論として広まっているとはとても言えない状況です。メディア各社の勇気ある発信に敬意を表しつつ、更なる後押しをしていきましょう。

72年以降の歴代政権も内閣法制局幹部も「行使はできない」と答弁し続けてきた。昨夏の週刊朝日の取材に、72年当時の幹部は「これを根拠に解釈改憲なんて夢にも思っていなかった」と語っている。政府の説明は説得力を欠く。 (2016年9月19日 朝日新聞 社説)

47_media_asahi[朝日新聞 2016年9月19日]
(社説)安保法1年 まだ「違憲」のままだ:朝日新聞デジタル
→ 本文を読む
→ PDFファイルを見る (印刷用)

安倍内閣は、自衛権行使の要件として挙げている「外国の武力攻撃」の対象から「わが国」が抜けていることに着目。攻撃対象が他国であっても、自衛権を行使できる場合があると解釈し、「法理としてはまさに(七二年)当時から含まれている」(横畠裕介内閣法制局長官)と強弁している。しかし、それはあまりにも乱暴で、粗雑な議論である。当時、この見解作成に関わった人は、集団的自衛権を想定したものではないことを証言している。 (2016年9月20日 東京新聞 社説)

47_media_tokyo[東京新聞 2016年9月20日]
【社説】安保法成立1年 違憲性は拭い去れない
→ 本文を読む (掲載期限切れのため閲覧不可)
→ PDFファイルを見る (印刷用)

安倍政権が「集団的自衛権を行使できる根拠」として持ちだした「昭和47年政府見解」を発した張本人らが、みな「他国への攻撃は、日本国民にとって急迫不正の侵害とは言えず、集団的自衛権は行使できない」としているのだ。集団的自衛権を行使容認するとした安倍政権の閣議決定の根拠は、完全に崩れ去った。 (2015年5月25日 IWJ)

[IWJ 2015年5月25日]
【スクープ!】「集団的自衛権行使容認の閣議決定」が覆る決定的根拠! 「昭和47年政府見解」の知られざる真実を小西洋之議員が暴露!!
→ 本文を読む

47_media_kyodo[共同通信 2016年7月1日]
崩される「立憲主義」危機感持って投票を
→ PDFファイルを見る (印刷用)

47_media_kinyobi[週刊金曜日 2016年6月3日]
特集「憲法の危機」黒を白と言ってのけた安倍首相の人治主義「昭和47年政府見解」を思うがままに曲解し集団的自衛権を捏造したインチキ手口
→ PDFファイルを見る (印刷用)

[三宅日記 2016年09月21日]
スルーできない「47年政府見解の読み替え」
→ 本文を読む

小西議員による本件の解説動画 (憲法フェス 2016/9/10 名古屋)

解説Part①

解説Part②

解説Part③

最後に

本ページの作成にあたって、三宅洋平事務所やNAUスタッフ以外の「憲法フェスでこの問題を知って、何か動かなくちゃと思った」という有志の方からたくさんの協力をいただきました。小西議員の講演の要約、具体的なアクションの提示、文章構成など。

どうか本ページをご覧の皆さまも「こうしたら良いのではないか?」「こんなアクション起こしたよ!」「参考になるページ見つけました。」などなど、ご意見・ご感想含めコメントをお寄せいただければ幸いです。最新情報をもとに本ページを追記・修正して参ります。

寄せられたご意見・追加情報の紹介コーナー

マンガで分かる「47年見解」

クイズ!「47年見解 (難易度★★★)」&「憲法改正 (難易度★)」

47年見解をもとに行われた金田法務大臣との答弁/民進党 山尾しおり議員

本日法務委員会にて、平成19年司法試験の設問で「集団的自衛権の行使が禁じられている」というのが正答だったことに関して金田勝年法務大臣に質問しました。youtube にアップしましたので、是非ご覧ください。