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【テキスト版】『Stop TPPミーティング』 ジェイン・ケルシー(オークランド大学教授) × 山田正彦(元農林水産大臣) × 三宅洋平(NAU) 対談 1/2

【テキスト版】『Stop TPPミーティング』 ジェイン・ケルシー(オークランド大学教授) × 山田正彦(元農林水産大臣) × 三宅洋平(NAU) 対談 1/2

10/31に緊急開催された「Stop TPP ミーティング」のケルシー教授、山田正彦氏、三宅洋平対談のテキスト版、前編です。

【三宅洋平 (以下/三宅) 】
では、早速紹介させていただこうと思います。TPP交渉が始まったときの民主党、担当大臣、元農林水産大臣、山田正彦さんです。

(会場拍手)

山田さんが、「TPPはまずいぞ。三宅くん、TPPはまずいぞ」と100回ぐらい言ってくれたおかげで僕も、「これはどうやらまずい」ってことがわかってきました。

アメリカにも行かれて、向こうの議会の人たちにもロビー活動を繰り広げ、たった数人でも座り込みを続け、そして今朝も国会の前で座り込みもされてました。

やっぱりずっと動いている人、ずっと続けている人の姿に、僕らは徐々に徐々に、自分の日々のいろんな忙しいことの中でも伝わってくるものを拾って、やっぱり自分も動こうと思えるようになるんだと思います。いつもありがとうございます。

(会場拍手)

そして、ニュージーランドの反TPPアクトのメインフィギュアとも言われています、中心人物のひとり、ジェイン・ケルシー教授をお迎えしています。

(会場拍手)

そしてですね、今日は通訳の方とですね、ニキさんです。図らずもニュージーランドジャパニーズの、ミックスアップですね。ヤーマン。

(会場拍手)

そしてNAUスタッフ、近頃ヒッピー界の官僚と呼ばれてます、角本さんです。

(会場拍手)

今日は、手話の同時通訳も一緒にお送りしようと思っています。

(会場拍手)

はい。それでは、皆さんマイクの感じはどうですか? 入ってますか? チェック1、2 チェックチェックチェック。オーケー、バッチリですね。

今日は、日・英で、英語も交えながらやっていきますんで、通訳を聞きながら、皆でゆっくり、たぶん話を理解していける速度でやると思います。

で、質問がある方はですね、Q&Aタイムを待たずとも聞きたいことがあったら、その場で挙手していただいてもかまいません。全員にマイクをまわせるかわからないんですけども、皆さんと一緒に、この2時間弱をですね、TPPについて僕らが理解を深め、なによりどう動いたらいいのかっていうことを、なにか胸のうちに刻んで帰れたらなと思っています。

Photo by 伊藤愛輔

Photo by 伊藤愛輔

山田さん、ちなみに今日は、もう衆院での強行採決がされるんではないかという話でしたけれども、結論としては、今日はまだ見送られている段階で。これ、明日はどうなんですか?

【山田正彦 (以下/山田) 】
明日ね、明日一応どうかな。いろんな筋の言い方だと、明日も無いかもしれないというんですが、心配なんです。で、ほとんどなんにも審議しないで、ただ数だけは3分の2あるからいつでもやれる状態で、地方公聴会も強引にやってしまったんで、あとはいつでも強行採決やれるところに、今、自民党はいるんです。なんの議論もしないで本当にまぁもう呆れちゃいます。

【三宅】
ま、なんせ資料が黒塗りなんで、議論のしようもないっていうところもあるんでしょうけれども。

TPPの問題点っていうのは僕は、おそらく今日集まっている皆さんもそうなんですけど、「反対してもいいのか、賛成していいのかもよくわからない」「内容がよくわからない」「それが多岐にわたり過ぎていてよくわからない」「どこから切り開いていったらいいのかよくわからない」いやもしかしたら、例えばTPPが批准されたらこういう社会になってしまうんじゃないか? という不安を口にするだけで、「それは大げさだ、それは無い」と言ってたたき潰されてしまったりですね、なんか、不安を口にすることもすごく今、憚られるような空気をネット上でも感じるんですよね。

で、例えばなんですけど銃刀法というのが日本には存在してますよね。今日はこの場に拳銃を持ってきている人はひとりもいないと思うんですけども。国によっては、こういったクラブで突然乱入してきた男が銃を乱射して何10人も死んでしまったみたいな事件が、最近フロリダでも起きましたけれども。

実は、こういう疑念がひとつネット上で散見されるんですよ。要するに、米国の銃器メーカーが、「日本の銃刀法は、我々の商売の邪魔をしているから、これを撤廃せよ」と、「そういう訴訟を起こすことができるんじゃないか」と、論理上はですよ。

ただ、すぐにそういうことが、すぐにっていう話ではないんですけれども。TPPが20年かけて関税を撤廃していく、そんなゆっくりな速度で、日本の社会ももしかしたらそういうふうにゆっくり変わっていくかもしれない。

僕は、これはあながち、無視できないんじゃないかなと思うんです。だから、医療とか知的財産権とか、いろんな領域にまたがって不安がささやかれてますけれども、例えばそういうことも論理的には可能になってしまうんじゃないかなと思うんですよね。どうなんですか山田さん? これはちょっとあれですかね?

【山田】
いや、銃刀法の問題って考えてもいなかったけど、ありえますね。

【三宅】
ありえますか? そういうことも。

【山田】
ありえますね。やっぱり今回のTPPっていうのは、アメリカの企業がアメリカの託す企業がいかに儲かるか、日本という新しい市場になにを売っていくか、なんでも売っていくんだという例外がないんですよ。これはね。

そして、内国民待遇、いわゆるアメリカと日本と企業は同じ待遇で公正、公平、平等でなければならないと、TPP協定はなっているんです。

そうなったらね、アメリカの多国籍企業が、日本が銃刀法で買わないこの法律は、例えば、「私たちは、なんでも自由な権利持ってる。拳銃を持つ権利も持ってる」ま、極端に言ったら人を殺す権利もあるのかもしれない、アメリカにしてみりゃあね。

だから、そういう権利、自由な権利を阻害してる日本の法律は公平でない、フェアじゃない。それはアメリカも、「みんな、同じようにそういうものを持つ権利を、銃を持つ権利を認めるべきだ」という、まことしやかにそういう主張を、メディアがやりだすかもしれない。Twitterでやりだすかもしれない。そういう恐れがありますね。

【三宅】
恐れがあります。だからこんなこと言い出すと、本当にまんべんなくすべてにおいて、要するに企業にとって邪魔なものは、国家の定めたことであってもとっぱらっていこう、それは憲法が定めたことであっても、TPPの条約の方が、憲法上も上なんですよね、条約は。だから、憲法よりも上に企業統治がやってくるっていう中では、あらゆることが僕は想像できてしまうというふうに思ってます。

ただ、国会の論戦の中では、あんまり突飛なことを言うと不利になります。「なにをオーバーなことを言って不安を煽ってるんだ」と。そこが今すごく難しいポイントなんで、まさにケルシーさんにですね、「例えばそういった疑念というのは、今すぐは危険じゃないよ」とか、「それはありえないだろう」とか、そのへんの観点というのを、少し頂きたいなと思うんです。

僕、少し昨日話たんですけど、僕らのオーバー・ジェスチャー、オーバー・リアクションが、時としてはTPPを止めるために不利になる場合があるかもしれないので、より現実的な側面から、TPPを少し教えてほしいなと思います。

【ジェイン・ケルシー (以下/ケルシー) 】
今、出して頂いた銃刀法違反の例は、これはさすがにオーバーかもれません。しかし、TPPA(「TPP協定」と日本で呼ばれるこの協定はニュージーランドでは通常TPPではなくTPPAと略記される。)は人を殺せる、人を殺すことができる。これは、オーバーではないと思います。

例えば、製薬会社が、TPPA可決後、人の命を救う薬、この薬の値段を値上げすることの規制が無くなります。HIVや癌に苦しんでいる患者が自分の命を救える薬を買えない状況になるかもしれない。なので、TPPAは人を殺すことができる。これは、妥当な発言だと言えます。表現だと言えます。

【三宅】
I see. そこなんですよ、でも難しいのは。やっぱりそこの、僕らからすると本当にどこまでができてしまう話なので、どこまでができない話なのかっていうのがよくわからないんですよね。

だから皆さんも今日は恐れずに、座間宮ガレイの言葉を借りれば、おっかなびっくり層として、恥のない質問もどんどん出して欲しいなぁと思います。ですから、今、自分の中でなんかぷっと思ったことはですね、ぜひ挙手して聞いてください。せっかく来てるんで、ケルシーさん。

で、僕がさっきライブ中も言いましたけど、12カ国の間で、このTPPの批准というのが協議されてるわけですけれども、実は日本が今、先駆けて議会での採決を急ごうとしてます。と同時に、ニュージーランドがまさに今そういう状況にあるんですね。で、マレーシアやベトナムはどうやら越年をしそうだということです。だからその辺の議会バランスが、米国のみならずいろんなところで起きてます。

で、よく言うのが、「TPPはアメリカに身を売るようなものだ」って言うんですけれども、「What is the America your talking about?」なんですよ。「アメリカ、アメリカ」って、でかすぎるんですよね。だって、議会は反対してるじゃないかと、でも政府は批准しようとしている。その辺のパワー・バランスが一枚岩じゃないよっていうことを語っていくうちに、これは、対アメリカっていう話だけではないんじゃないかなと僕は思うんです。

【ケルシー】
おっしゃる通りその、「アメリカ」って一言で語ることは非常に危険なことだと思います。今のアメリカの現状を見ると、政治と国民の求めてることが違ったりする。国民たちはTPPAに反対している。なぜかというと、1%の一番社会のトップの人々のためのものであって、国民たちのためでないから。なので、アメリカの国民たちもTPPAに反対するムーブメントに連帯しています。

【三宅】
ちなみにケルシーさんは、12カ国全部もう回ってみてるんですか?

【ケルシー】
メキシコ以外は。

【三宅】
メキシコ以外は。

【ケルシー】
実際にこの協定がどのようにして協議されているかちょっと説明したいと思います。

すべてが秘密に包まれています。一時期は我々はこの秘密の協議をオープンにすることを実現できました。ステークホルダー(利害関係者)のための話し合いの場をつくれたんです。もちろん企業もその場にいました。物事の全てを理解できていないネゴシエーター、交渉人たちのために我々は同席していました。

我々の、私たちの国からではないですけど、参加国から参加しているネゴシエーターの人たちと結構仲良くなったりもしました。

で、政府が国民に何も教えてくれないので、私たちが政府の代わりに国に帰って国民たちに真実を伝えました。それに、成功しすぎちゃったんですね。なので、我々が国民に情報、真実を伝えることが、あまりにもうまくやりすぎていたので、それからは私たちはその協議の場に参加することができなくなりました。ドアを閉められてしまったんです。

そこから仕方なく、ウィキリークスのリークされた情報を頼りに、リークされた文書を分析していくことになりました。

それ以降、協議がまた開催されると、私たちが以前仲良くなった交渉人の人がこっそり、「次の協議はどこどこであるよ」と教えてくれたんです。で、当然我々は招待されていたわけではありませんが、その協議が開かれるホテルのロビーで待ち伏せして、そこで私たちの国の政府の代表が私たちの姿を見て、「またお前らか」ってげんなりしてました。

ニュージーランドをはじめ、多くの参加国の国民たちが、「TPPに賛成できない」と決めた大きな理由のひとつは、この秘密だったんですね。なぜこんなに秘密に守られている協定なのか? 本当に国民たちのための協定ならもっとオープンにされるべきではないのか? そういうところから不信感がどんどん国民の間で生まれてきました。

政府の関係者なども、その協定が最終段階になるまで、内容がなんなのか一切知らされることはありませんでした。今でも我々国民は、政府が既に約束をしようとしていることの全体的な内容を、知らされることはまだありません。

Photo by 伊藤愛輔

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【山田】
まさにその通りで、私も各国の閣僚会議とかうんぬんとか、もう4、5年前から、よくケルシー教授と首席交渉官会議とかそういう場でお会いして、色んな情報、本当にいっぱい、私も1回、首席交渉官と一緒に食事したりして、情報を取っていったんです。

そして、その情報を元にして2年前に、実は日本で『TPP秘密交渉の正体』っていう本、新書版ですが書かしてもらった。ところがね、その本、今読み返してみて、それ以上に恐ろしい内容になってる。びっくりしました。絶句しました、読んでいって。

ニュージーランドで明らかにされた、協定文の条文。これは交渉条約の条文ですから、法律ですよ。法律の解釈の問題です。で、本当にね、読みながら絶句して、「このままだと日本はどうなるんだろうか」と思ったらね、本当にいてもたってもおられなくなって。でね、今も一生懸命、朝から国会の前に立ってます。

なんとか、議員の皆さんとも一生懸命話しながら、「これを阻止しようじゃないか」と。で、洋平君にも、「おい、これは本当に大変なことなんだからわかってくれよ」って。みんな、こんなTPPなんてのは関心ないんだろうけれども、これは次の世代の若い人達の子供、さらに孫。これはねえ、食の安全が一番問題だと思ってる。そのことについてはまた、洋平さんから色々話すると思うけど。

秘密交渉はね、今日ケルシーさんの話聞いて、だいたい8300ページぐらいあるんです、今。ところがその内、日本政府が訳してるのは2400ページ足らずなんです。で、後は全部黒塗りとおんなじで、しかも訳の仕方もでたらめなんです。例えば第2章の4条っていうのは、「関税撤廃」となっているんだけど、「関税の措置」と訳しているしね。そんな大変な問題なんだけど。

今日ケルシーさんの話聞いてみると、それ以上に、もっともっと国民に秘密にして、秘密で約束していることがある。そういわれれば、TPP協定は4年間秘密保持義務があるんですね。協定、発効してもね。だから、我々は知らない。知らない間にこの国がどうなっていくかっていうことが、今決められていっているんですよ。ちょっとしゃべり過ぎたかな?

Photo by 伊藤愛輔

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【三宅】
いや大丈夫です。日本語なんで伝わっていると思います(笑)ただ、山田さんね、TPP交渉開始時の担当大臣だったわけですよね? いきなり降って湧いたんですか? この話は。

【山田】
いやねえあの、菅さんがね。私が農水大臣の時、元総理、菅さんがいきなり、「TPPやりたい」っていう話があると、ちょっと聞いたんです。そしたらね、閣議で、仙谷官房長官って覚えているかな? 僕が大嫌いな男なんだけど。それと、岡田っていって、ちょっと呼び捨てにしてしまって悪いけども、この前の代表、民進党のこれまでまでの代表ね、外務大臣です。で、いきなり、「TPP協定をやりたい」って言うんで、本気かな? と。TPP協定ってのはこれは通商貿易条約じゃないんだぞ! と。国の形を変える、これは本当に関税の問題じゃないだぞ! と。それを農業と経済の問題にして、安い農産物、牛肉とか豚肉が入ってくるから、日本もどんどん輸出が伸びるから、それでというんじゃないんだ! というんだけどね。

それからなんですよ、私は、これで農水大臣辞めて。で、みんなで、当時はね、ケルシー教授にも当時すぐ来てもらったんだけど、国会でTPP反対している議員さんは自民党もいっぱいいてね、350人ぐらいいましたよ。あの時は反対運動も勢いありましたね。ケルシーさんに来てもらった時です。でもその内にね、だんだん自民党もあれだけ、「TPP断固反対」「絶対交渉参加させない」「嘘つかない」「ぶれない」っといって、ポスター全国に貼り回して選挙して、我々は負けちゃった。これはね。

そしたら、安倍、呼び捨てにさせてもらう、安倍になったらとんでもないことになって、「やるんだやるんだやるんだ」って言ってね、アメリカに行って早速約束してきちゃった。これは許せないなあ。

【三宅】
これでも、今、国会で安倍さんは、「私が言った覚えはない」って言ってますよね。「反対は私は言った覚えはない」って総理大臣が言ってる横で、言った覚えのある人たちが固まってましたけどね。

【山田】
当時はね、しかし、自民党総裁安倍総理で、「TPP断固反対」「ぶれない」「嘘つかない」っていうポスター貼ってまわったんですよ。覚えてますか皆さん? それでいて本当に安倍は息を吐くように嘘をつく。ね、安保法案でも辺野古の問題でもそうだと思うけど、沖縄の問題でもね。許せないねあれ! 日本人としてあんなのいるっていうこと自体が、存在が許せなくなってきたの、もう最近なあ。

【三宅】
「存在自体が許せない!」っていう新しいコールができそうですね。いやでも、おそらく人間なんで、天然であの嘘をついているんだったら、たぶん本当にちょっと1回なんかの鑑定を受けた方がいいと思うんですけど。

多分構造としては、彼も、もうパペット(操り人形)なんじゃないのかなと、言わされてるんだろうなと思うんですね。多分、多くの人が知りたいのは、まあ米国、国家戦略研究所ですか? 『CSIS』みたいなのが、やっぱりすごく彼をコントロールしてるなあという感じがするんですけど。

だからあれは嘘っていうよりは、もう最近ね、アルファベットが多すぎて、訳わかんなくなってくるんですよ。FTAだのETAだのTPPだのなんだのって。これは結構、昨日もみんなでご飯食べたときに、「もうこのアルファベットに騙されてる、俺たちは!」っていうのはあるんですけれども。

ただその、ああいうマイケル・グリーンとか、ああいう人たちっていうのは、安倍さん的にはやっぱりものすごいあてにしてる訳ですよね。結局、ほぼ彼らが出してるアジェンダに沿って、ものを言ってるじゃないですか。だけど、アメリカ社会において、彼らがメインストリームだとは僕は思えないんですね。だから訴えるポイントはそこなのかなとも思うんです。

どうなんでしょう、ケルシーさんはそこについては? マイケル・グリーンとか、やっぱりケルシーさんは御存知ですよね? 構造が知りたいんです、そのメカニズムが。

【ケルシー】
私たちがニュージーランドで反対運動に取り掛かっているときに、学んだことが一つあって、それはたくさんの様々なグループの人々に呼びかけることで繋がることでした。お互いの違う所に意識するのではなく、お互いのそれぞれのグループが共通している点、そこに着目して連帯を強めていました。

もっとも大切なことだったのが、そのキャンペーンにおいて、ポジティブなメッセージを世間に送ること。なので、「TPP反対」じゃなくて、「It’s our future」 「私たちの未来」これをスローガンにしました。

そのスローガンをもとに、様々な国中のコミュニティに呼びかけていったんですね。例えば芸能界の人たちに呼びかけて、例えば漫画コンテストを開いたり、そのTPPに関する漫画を国中から募集して、それで書いてもらった漫画を国中で展覧会を行っていました。そのようなイベントでミュージシャンや俳優、著名人に来てもらって、そこで講演をしたりスピーチをしてもらったりしました。

それで、様々な芸能人や著名人に賛同してもらったんですけど、彼らの多くは元々最初からTPPに反対していました。

というのも『ホビット』って映画、皆さんご存知かも知れませんけど、『ホビット』はニュージーランドで撮影されたアメリカの映画で、これワーナー・ブラザースの作品なんですが、その『ホビット』をニュージーランドで撮影中、そのワーナー・ブラザースが、地元の俳優組合を潰そうとしたんですね。

で、それに影響された地元の俳優や映画関係者が多くいたので、なのでその経験をもとに、ニュージーランドの役者たちは、「TPPというのはハリウッドのような大企業の利益になるようなもので、地元の芸能関係者、映画制作関係者には非常に不利益なものだ」という、身をもって経験したからです。

そして、ニュージーランドの医療関係者の団体も、これに非常に大きな懸念をもっていました。「薬の値段が上がることで、治るはずの人が治らないのではないのか?」そして、医療関係者の団体は同時に、気候変動にも大きな不安を、懸念を感じていました。

そして、地方政府の政治家たちも、「ニュージーランドの地方でつくる、地方でのルールや法律など、これを決める権利を奪われるではないか?」という不安も感じていました。

そして、ニュージーランドの先住民であるマオリ族の人々も、「また新しい植民化になるのではないか?」と非常に不信をもっていました。

なので、このように様々な背景をもつ人々のコミュニティやグループに呼びかけて、それぞれとの共通点を見つけたんですね。そのような様々なグループと連帯をもつことで、ただ反TPPだけの為に活動を共にするのではなく、 「It’s our future」 私たちみんなの未来の為に、それからも似たような活動、似たような趣旨の運動を共にできるようになったんです。

【三宅】
僕も、実際本当に、「そこだ!」と思ってるんですね。今回ちょっと『Stop TPPミーティング』ってしちゃって、「Future」 とかいってないんですけど。

でも、なんかライブでまぁさっき言ったように、12カ国にまたがってTPPが問題になっているということは、裏を返せば、12カ国の資本主義の暴走から自分たちのコミュニティを守りたい人達がネットワークを作るチャンス、まさにそのいいキーワードがTPPとして、僕らに与えられたというポジティブな解釈はできると思うんですね。

で、「安倍政権を倒せ」っていうキーワードは、おそらく日本人の中でしか通用しないですよね。だけどTPPに対して、「こりゃまずい」と、で、そこから見えてくる、「いや、およそこの100年にわたる資本主義の暴走に対して、もう転換していこう」「もうそういう人達のロビー活動に議会が牛耳られていくような政治のあり方は変えていこう」「そういう人達を背後に置きながら、選挙の時、国民の前で約束したことを次々と裏返していくような大統領や総理大臣じゃない政治にしていこう」っていうタームが、ちょうど僕はTPPによって与えられたと思ってるんです。

だから本当に、今、日本で批准されるかどうか、国会の前にみんなが集まらなきゃ、とかっていうことも問題なんですけれども、実はここから先、向こう100年ぐらい、僕らがどういう風に歩んでいくかどう生きていくかっていうことを、まさに、今、話し始めたという意味では、僕らにこんなに政治を考えさせてくれる安倍さんにも、僕らにこんなにね、通商貿易や自由貿易について知らしめてくれた、その害について知らしめてくれたTPPにも、トピックとしては感謝したらいいんじゃないかと思ってます。活かし方は僕ら次第なんじゃないかと思ってます。

【山田】
いやあ、偉いなあ。

(会場笑)

【三宅】
偉いんすか? 今の録っときたかったな。着信音にしたい(笑)

Photo by 伊藤愛輔

Photo by 伊藤愛輔

【山田】
(笑)いやあ、ほんとにそういう発想のできる日本人てなかなかいないよね。流石だね、君はね。

(会場笑)

【三宅】
山田さんの方がめちゃめちゃ動いているじゃないですか、もう。

【山田】
いやいやいや。

(会場拍手)

【三宅】
ブルネイでTPPのデモに参加して、拘束とかされてますからね、山田さんね。「やってるなあ」と思って、僕もネットで。

【山田】
逮捕されて、拘留されるんじゃないかっていうとこまでいったんだ。これはね。

【三宅】
(笑)そんな。

【山田】
外務省が慌ててね、元農水大臣だから。取り調べも、なんか外務省が立ち会ってくれるんだ。で、なんとか、「もうこれで結構ですからお帰りください」って言って、帰ってきた。

【三宅】
いいなあ(笑)でも、それぐらい苛烈にやっぱり山田さんも動いてきているけれども、やっぱりポイントはさ、あれじゃないですか、この全部の国をやっぱり山田さんもなるべく広く動こうとしてるし、ケルシーさんもそうだし、僕も最近マレーシアのミュージシャンの友達が久しぶりにネットでコンタクトを取ってきたのがTPPのことだったんですよ。

で、そういえばマレーシアも、今、TPPが問題になっているなっていうところで、いやなんかこういうネットワークを作って「our future」なアルバムを、そういうコラボレーションを、アーティストたちの間でもやっていかなきゃいけないなあと、ちょうど、今、思っています。

ちなみに、さっきから気になっているんですど、どちらからいらしてるんですか?

【来場者】
私は、群馬の方から。

(会場笑)

【三宅】
あ、群馬ですか。完璧なアンサーです。出身はどちらですか?

【来場者】
出身は世田谷区なんですけど。

(会場 笑)

【来場者】
イスラム教やっています。

【三宅】
特にその、出身が中東であるとかではなくて?

【来場者】
一応そういうカルチャーも持ってます。

【三宅】
持ってる。その、血は流れてるの?

【来場者】
流れてます。

【三宅】
なるほどね、はい。

【来場者】
神様信じてます!

【三宅】
Yes I.

【来場者】
神様いますから、絶対。

【三宅】
色んな言葉で読んでますけどね、みんなそれを。アッラーとか、ジーザスとか、ブッダとか、ジミ・ヘンドリックスとか、ボブ・マ-リーとかね、色んな神様いますけどね。

【来場者】
絶対守ってくれます。

【三宅】
Yes I. 今のも録っときたかった。今日はやっぱりそのTPPについての危機感というか?

【来場者】
TPPもそうですけど、政治とかも最近国民の意見を聞いてないような政治。憲法9条の戦争するような政治、出来るような政治からして、そういうのひとつひとつ、みんなで団結して変えていけるため、どうやってやっていったらいいのか、そういった面で、皆さんの活動をすごい僕は見させてもらって勉強してます。ありがとうございます。

【三宅】
ヤーマン。ありがとう。

(会場拍手)

【三宅】
本当、僕なんかも、学ぶ姿を見せて学んで頂くみたいな感じで、教えるとかっていうよりは、本当にみんなで頭よくなっていこうっていうことを、ずっと繰り返し言ってるんですけれども、そうですね。

Photo by 伊藤愛輔

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今、ここまで、ザザザーっと勢いでTPPにまつわる所感というものを述べてきましたけれど、おそらくここにいる人達は結構もう、最前でやってきているんで、その今、今の、今、「日本で批准されようとしているぞ」っていう所からでてくる発言もあったと思うんですけど。

いらしてる皆さんの中で、「いや、そもそも論、恥ずかしくて今更聞けないけど、TPPってなんなんですか?」みたいな状態の人もいますか? もう1回、イロハのイに戻って、じゃあ、3つぐらい、「TPPがもし採決されたら、こういうふうにまずいんだ」っていうのを、私にもわかるように教えてもらえれば、家に帰ってお父さんお母さんに伝えられますみたいな、そういう部分をちょっと押さえてみようかなと思うんですけど、どうですかね?

(会場拍手)

【三宅】
とにかく、これから皆さんにメッセンジャーになってもらわなきゃいけないんですよ。この話題を広げていくために。

なんで、まずひとつ僕から、明日以降早々にですね、最速明日採決されるかもしれないという状況ではあります。で、国会のルール上は衆議院で採決されると、次は参議院に行きますよね。ただし、30日ルールっていう、これもなんだかおかしなルールなんですけど、もし山本太郎が飲まず食わずで30日間牛歩したとしても、自動的に採決されちゃうんです。これがやっかいですよね。

だから、「衆議院で明日もし可決されたら、じゃあもうほぼ可決じゃないかよ、ルール上は」っていう状態なんですよね。ただ、その30日間の猶予の中で、じゃあ100万人が国会取り囲んだらなんか起きますよ、そりゃあ。ただ、残念ながら今の日本では国会の前に100万人、人が集まるようには、今のところですよ、今のところは思えないです。といいながら焚き付けたいんですけど。

だからそういう状況なんです。法的にいうと、もうかなり詰まってます。もうあとは本当は、ある種、超蜂起的な民衆の蜂起がないと、これはもう、どうにもなんないんじゃないのっていう話です。

そこにおいては、おそらく先ほどケルシーさんは、そういうキャンペーンを広げていくためには、ネガティブなキャンペーンではなくて、ポジティブなキャンペーン「Stop」 とか、「Anti」 ではなくて、俺たちの未来をまさにこれから作っていくことに我々は踏み出したんだっていう、そういうムードに持っていかなければ、ニュージーランドのように大きな運動の巻き起こりはできないよというアドバイスだったんだと思ってます。

後半はこちらから

こちらも併せてご覧ください!

10月3日、米国のTPP反対派との連帯を図るべく渡米。たくさんの成果を得られて帰国したばかりの山田正彦さんに、10月11日正午、NAUスタッフがインタビューを実施しました。

臨時国会でのTPP批准に向けた審議に入る前に絶対に知っておかねばならないことを、三宅洋平がTPP反対派の急先鋒・山田正彦元農水大臣より聞き出す。山田氏の著者『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』の発売を受けて、「TPPは日本にどのような影響を与えるのか?」「なぜ不平等条約なのか?」「政府はどのようなごまかしをしているのか?」など、多くの国民が知らないTPPの真実を公開。ぜひご覧ください。