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そうだったのか!TPP 24のギモン (TPPテキスト分析チーム提供)

そうだったのか!TPP 24のギモン (TPPテキスト分析チーム提供)

TPPテキスト分析チームから発行の「そうだったのか!TPP 24のギモン」を1ページずつ掲載。気になるトピックをご紹介させて頂きます。(随時更新予定)

目次

トピックス
Q1.TPPって結局、誰のためのルールなの?
Q2.自由貿易はいいことではないの?
Q3.ISDS条項って何が問題なの?
Q4.日本のような先進国が訴えられることはないのでは?
Q5.アメリカの大統領候補も反対なんでしょ?
Q6.交渉過程が秘密なのは、外交だから仕方ないのでは?
Q7.政府の試算ではメリットもあると聞いたけど?
Q8.じゃあ、TPPはどうやったら止められるの?

分野別
Q9.農産物は例外があるから守られたのでは?
Q10.漁業にも影響はあるの?
Q11.林業は自由化されているから影響ないのでは?
Q12.国産表示があれば心配いらいなのでは?
Q13.遺伝子組み換え(GM)表示はなくならないの?
Q14.食の安全基準は守られたの?
Q15.検疫がしっかりしていれば大丈夫では?
Q16.医療制度は変わらないんでしょ?
Q17.国民皆保険制度が守られたなら大丈夫では?
Q18.かんぽ生命や共済はどうなるの?
Q19.金融って私たちに関係あるの?
Q20.著作権の分野はメリットもあるんでしょ?
Q21.公共事業や地域経済はどうなりますか?
Q22.公共サービスにも影響はありますか?
Q23.環境に関する政策に影響はありますか?
Q24.私たちの雇用は大丈夫?

Q1. TPPって結局誰のためのルールなの?

A1. 大企業と富裕層1%がさらなる富を得るためのルールです

TPPは、こうした負の教訓を無視し、一部の富裕層や大企業・投資家にとって有利なルールをさらに進めようとするものです。交渉や協定分作成に関与してきたのは米国の大企業やロビイスト、大企業から政府交渉官に「転職」した人たちです。

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Q2. 自由貿易はいいことではないの?

A2. 「自由」ではなく、強者によって「管理」された貿易です

協定のそれぞれの条項の背後には、その条項をプッシュしている企業がある。(中略) 決してアメリカ国民の利益を代弁しているわけではありません。ましてや日本人の利益のことはまったく念頭にありません。

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Q3.ISDS条項って何が問題なの?

A3. 企業や投資家から訴えられ、国の主権や人権が奪われます

問題は、公的な裁判所ではなく、私的な仲裁廷で仲裁されるという点です。仲裁人は多国籍企業をクライアントとする弁護士などが担当するケースが多く、訴える側の大企業に有利な判断をしがちなのです。

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Q4.日本のような先進国が訴えられることはないのでは?

A4. 訴えられます。訴訟の濫訴防止も役に立ちません

ISDSで訴えられれば、多額の裁判費用や賠償金を税金で負担することになります。国民の福祉や環境、健康のために制度を作ることを躊躇させかねません。

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Q5.アメリカの大統領候補も反対なんでしょ?

A5. さらなる要求を押しつけられるかもしれません

どちらが大統領になったとしても、TPPが完全に葬り去られる可能性は五分五分でしょう。クリントンは以前に「再交渉する」とも述べており、トランプも就任後は産業界からの圧力によって完全にTPPを破棄できないかもしれません。

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Q6.交渉過程が秘密なのは、外交だから仕方ないのでは?

A6. いまだかつてない秘密主義です。民主主義に反します

大筋合意後、TPP協定文は公開されましたが、日本語に訳されたものは3分の1程度。交渉の過程を記載した文書は発効後も4年間は秘密とされています。

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Q7.政府の試算ではメリットもあると聞いたけど?

A7. 恣意的な数字操作による試算といわざるをえません

東京大学の鈴木宣弘教授の試算では、農林水産業の減少額は1.6兆円にも上ります。(中略) 貿易を推進する立場にある米国政府の国際貿易委員会(ICT)の報告でも、「TPPによる経済効果はほとんどない」という結果が明らかになっています。

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Q8.じゃあ、TPPはどうやったら止められるの?

A8. 日米が批准しなければ、TPPは発効しません

日本はTPP発効の鍵を握ります。日本が批准しなければ、アメリカの結果を待つことなく、その時点でTPPは破棄となるのです。

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Q9.農産物は例外があるから守られたのでは?

A9. 手をつけていない品目がないことを政府も認めました

守られたものなど一つもありません。TPPでは、これまでのFTAと異なり、関税の撤廃・削減をしない「除外」や「再協議」の規定が存在せず、すべての農産物が関税撤廃の対象となります。

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Q10.漁業にも影響はあるの?

A10. 漁業補助金が出なくなる恐れがあります

TPP協定の第20章「環境」では、「濫獲(乱獲)や過剰な漁獲能力に寄与する補助金」を規制し、削減・撤廃しなければなりません。(中略) 日本はアジやサバ、イカ、サンマなどを除いて、過剰な漁獲とされる可能性があります。

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Q11.林業は自由化されているから影響ないのでは?

A11. 国産材利用の流れに逆行しています

そうなれば、合板などの輸入がさらに増え、せっかく回復してきた自給率がまた下がってしまいます。国内の山林が荒れたり、国内外の環境に悪影響を与えたりする心配もあります。

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Q12.国産表示があれば心配いらいなのでは?

A12. アメリカでは牛肉の国産表示が禁止されました

国産表示や産地表示が海外の利害関係者に不当であるとして訴えられ、日本が敗訴することは十分にあり得るのです。

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Q13.遺伝子組み換え(GM)表示はなくならないの?

A13. 表示はなくならなくても輸入は増えます

今後GM(遺伝子組み換え)は、アメリカで承認され話題となったサケなど動物にも広がります。そうしたものに表示義務を課すことも難しくなるでしょう。(中略) 日本は、ますます遺伝子組み換え大国への道を突き進むことになるでしょう。

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Q14.食の安全基準は守られたの?

A14. 消費者が求める厳しい規制はできなくなります

これは、輸出国や遺伝子組み換え企業・食品企業などにとって大変都合のいいルールです。例えば、遺伝子組み換え作物など、安全かどうか世界でまだ科学的に結論が出ていないものについても、はっきり危険だと証明する必要が出てきます。

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Q15.検疫がしっかりしていれば大丈夫では?

A15. 「48時間ルール」では食の安全を守れません

現在、日本に入ってくる輸入食品は、平均92時間あまりかけて検疫所でチェックしていますが、TPPでは、48時間以内に検疫を終えて国内で流通させることが減速となりました。

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Q16.医療制度は変わらないんでしょ?

A16. 安価な医薬品が手に入りにくくなります

製薬大企業に有利なルールが盛り込まれました。アメリカの医薬品・医療産業がどれほど巨大化を考えれば自明のことです。(中略) このように、TPP協定が発効すれば新しい薬の価格がなかなか下がらない恐れが強まっています。コレは患者の負担に直結し、保険料の引き上げにもつながります。

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Q17.国民皆保険制度が守られたなら大丈夫では?

A17. 制度の内側から壊されていくでしょう

さらに、「関連する将来の保険制度」(日本は国民皆保険制度)について「競技する用意があることを確認」したことも明記されました。(中略) このまま外国企業の言いなりとなれば、国民皆保険制度が続いても内側から壊され、空洞化する危険があります。

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Q18.かんぽ生命や共済はどうなるの?

A18. 民間保険と同じように扱わなければなりません

アメリカの狙いの一つ目は、日本国内での医療保険市場の拡大です。アメリカはかねてより、かんぽ生命や共済(JA共済、全労済、コープ共済、都道府県民共済など)に対して「民間保険会社より優遇されている」として、金融庁に対し、民間保険会社と同じように共済団体を管理・監督させるよう要求しています。

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Q19.金融って私たちに関係あるの?

A19. 金融危機から国民生活を守れなくなります

こうした勢力が日本で狙っているのは、ゆうちょ銀行・かんぽ生命やJA共済などの資金、さらには年金(GPIF)、日銀マネー、企業の内部留保など、日本が戦後70年かけて蓄えてきた富です。(中略) これらの資金が国際金融市場に流出すれば、日本社会の貧困化がよりいっそう進むのは必至です。

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Q20.著作権の分野はメリットもあるんでしょ?

A20. 米国流の著作権ビジネス化が進みます

これが導入されれば知財訴訟が頻発、賠償金も増加し、結果的にコンテンツビジネスが萎縮する危険があります。何よりも、訴訟社会であるアメリカの裁判文化を持ち込むことにほかなりません。

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Q21.公共事業や地域経済はどうなりますか?

A21. 地域外、特に外資系企業に仕事を奪われる恐れがあります

巨大外国企業が、政府や自治体が行う公共事業などを落札していく可能性が高まります。日本の調達構造が変えられ、海外資本による地方経済への侵食が進めば、地域の建設業者や中小企業の倒産も避けられなくなるでしょう。

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Q22.公共サービスにも影響はありますか?

A22. 暮らしや地域の社会インフラの存続が危うくなります

TPPには、国有企業は一般の企業と同じ土俵で競争をしなければならないという考え方が貫かれています。問題は「非商業的援助」、つまり必要とされる財政支援の禁止です。鉄道や病院、郵便など、地域に欠かせない事業体には、公的支援を受けているものがあるため心配されます。

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Q23.環境に関する政策に影響はありますか?

A23. 大企業や投資家の利益が優先されます

脱原発や低炭素社会への移行など、私達にとって望ましい政策への変更も、「企業の利潤追求の障害だ」とされて訴えられる危険は十分にあり、そうした政策や規制を進めることを萎縮させる懸念もあります。

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Q24.私たちの雇用は大丈夫?

A24. 労働条件や雇用にとって有害としか言えません

TPPは貿易障壁をなくし、自由化・規制緩和を推進するため、働く人の労働条件や権利は後退します。労働の章も、グルーバル企業がますます国境を超えて自由に展開することを保証する内容になっています。(中略) また日本では、TPPの先取りともいえるような派遣法の改正、解雇規制の緩和、残業代の撤廃、外国人労働者・研修生の受け入れの規制緩和など労働法制の改悪が進んでいることにも警戒が必要です。

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このまま批准していいの?
続・そうだったのか!TPP 24のギモン

  • A5版/40ページ/カラー
  • 価格:1部100円(送料別。購入は5部以上から受け付けています)
  • 発行:2016年8月19日
  • 発行:TPPテキスト分析チーム
    山田正彦(元農林水産大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)/内田聖子(アジア太平洋資料センター事務局長)/近藤康男(TPPに反対する人々の運動)/和田聖仁(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表、弁護士)/山浦康明(TPPに反対する人々の運動、明治大学)/東山 寛(北海道大学准教授)/岡崎衆史(農民連国際部副部長)/坂口正明(全国食健連事務局長)/寺尾正之(全国保険医団体連合会)/布施恵輔(全労連国際局)/三雲崇正(TPP交渉差止・違憲訴訟の会、弁護士)他
  • 編集:内田聖子(アジア太平洋資料センター)、奥留遥樹(パルシステム・リレーションズ)
  • デザイン:柴田篤元(matricaria.)
  • 料理・スタイリング:滝本知美(p10)
PDF版ダウンロード (2.4MB)

本冊子(100円)含めTPPを考えるための書籍やグッズを販売中