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【テキスト版】山田正彦×三宅洋平の特別対談「誰でもわかる!TPPのココがおかしい」

【テキスト版】山田正彦×三宅洋平の特別対談「誰でもわかる!TPPのココがおかしい」

【特別対談】山田正彦×三宅洋平「誰でもわかる!TPPのココがおかしい」

【山田正彦/以下:山田】よろしくお願いします。

【三宅洋平/以下:三宅】よろしくお願いします。

今日はTPPについて。ズバリ、TPPについてですけど。何となくぬるっともう、遺伝子組み換えの食べ物でも食べれればいいんじゃない? っていうような価値観、そういうスタンダードが、なんか時間をかけてゆっくり出来上がっていってしまうような世の中になるのが、僕はやっぱちょっと怖いなあと思って。

【山田】そうだね、私も。まぁみんなで(TPP協定本文、附嘱書、交換文書の合計で)6,300ページあるんだよね。あの原文で。で、それが日本語の、政府が仮訳、これあくまで政府は、「仮訳」って言うんですよ。で、これだけで1,800ページ分しかないんですよ。これはね。

で、あとは全部、日本語これ全く訳してなくて、で、「国民にすべて伝えた」と言ってるんだけど。「明らかにしてます」と言ってるんだけど。で、実際に1,800ページ分の仮訳でも、いろいろもう間違いがあって、抜けたとこもあったんだっけね、いろいろ。

【三宅】誤訳もあり、脱字もあるっていうことですかね。

【山田】そうそう。で、まぁいろいろな、我々もそうだったけど、まず日本語の正文がない。日本語だけ。

【三宅】正文っていうのは?

【山田】正文って、あ、僕は弁護士だからだけど。

【三宅】正しい文ですか?

【山田】そうそう。というのがね、正文っていうのは、普通、契約書交わすじゃない? 例えば、このTPP協定も契約なんですよ。多国間の契約。そうすると、みんな多国間の間で、それぞれの言語で、例えば2国間であっても、それぞれの言語で正本と副本というのを作るんです。これはね。

で、正本はお互いにそれを持ち合うんです。で、副本はあくまで、その参考の為なんです。で、今回TPP協定は、日本語だけがその正本の中に、日本語が正文になっていないんです。

【三宅】え、マレーシアとかはなってるんですか?

【山田】マレーシアはね、あそこスペイン語だったかな、スペイン語とかフランス語とか英語とか、そういう形でなってはいるんです。それぞれ。

【三宅】旧宗主国の言語には、いずれかはなっていて、という事。

【山田】そうだね、なっているんで。で、カナダにいたっては、あそこはイギリス系、カナダ系のフランス系の移民もあるから、カナダには。だから、そういう人たちの為にフランス語も正文にしたの。

【三宅】日本語だけなってない。

【山田】うん。「なんで日本語は、正文として求めなかったのか?」って言ったら、政府は、「求めなかった」って言うだけで、それ以上の説明はしない。

【三宅】それは、いつの政府なんですか? 

【山田】今の政府。

【三宅】今の政府。

【山田】うん。で、これはね、結構大きな意味合いを持つんですよ。この中に入っているけど、投資家対国家の紛争解決という中で、ISD条項で何でもやられちゃうんで。これはね。その時に、日本語のいわゆる正文がないと、結局、英語の解釈じゃない?

【三宅】法律の話ですもんね。条約ですもんね。言葉のてにをはひとつで、意味がまったく変わってくるような重要な世界で、何故か日本語の側には正文が存在しないという時点で、不平等条約ですね。

【山田】不平等もだけど、なんでその正文出さなかったのか? という。私もすぐ読んでみてわかったんだけど、政府の最初の訳はね、例えば、第2章の農産物の関税撤廃、”Elimination”となってるんですよ、撤廃で。ところが日本語訳は、関税の措置となっているんです。措置と撤廃じゃ全然違うでしょ? で、国民に対して、「農産物重要5品目は守られた」で、説明する。

だから、これを全部日本語で正文にしたら、政府は国民に本当のことを明らかにしないといけない。そうすると国会審議も持たんし、国民がもうそりゃあ怒るだろうと。という形で、その大事な経過についても、これ全部、この本の表紙、こういう形で黒塗りなんだよね。

【三宅】全部黒塗り。

【山田】ひどい話です。

【三宅】デザインとしては、いいですけどね。

【山田】(笑)そう?
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【三宅】はい。ひどい話ですよね。や、なんかもう、今回の国会でTPPが批准されるかどうか? というとこまで、もう話がきていることも、多くの人が周知していないし。かくいう僕もですね、例えば、それじゃどうやったら止められるんですか? っていう事とかを考えると、あまりに動き出すのも気づくのも遅かったなっていう段階に、もうきてるのは確かですよね。国会の手続きの中では、もう批准されるんじゃないか? っていうところまできてますよね。

【山田】うん。まぁそうかもしれないけど、いや、まだね、この協定ってのはアメリカが、トランプとヒラリー大統領候補それぞれ反対でしょ。僕は、アメリカが批准されないと思うんだ、絶対。

で、そうなるとね、今年の2月4日に署名式が12ヶ国がやりました。署名、この協定の署名。で、2年以内にそれから、だから、2018年の2月3日までに、6ヶ国以上、で、GDPが85%以上の国が批准できなければ、このTPP協定は流れるんです。

【三宅】GDPの85%以上を全体で作っていなければ、ということはイコール日本とアメリカが入ってなければ。

【山田】そうそうそう。

【三宅】っていうことですよね。

【山田】流れる。で、日本だけが批准しても流れるんですよ。アメリカが批准できなければ。だから、まだ。ただ、日本でもね、この10月の多分最初に、補正予算が入りますからね。だから実際に国会審議を始めるのは、11日の週からだと思うんだけれど。で、おそらくね、11月の8日。臨時国会までに、アメリカの大統領選挙が始まる前に、「強行採決する」と自民党は言ってるけど。今、この訳文をめぐっても既にどんどん争えるし、で、いろんな問題がどんどん表に出てきてますし。

で、今、野党のTPP反対の議員連中と話してると、最初の10日暴れるだけ暴れれば、これ会期切れですよと。

【三宅】最初の10日。暴れるだけ暴れれば。

【山田】うん。この問題、いわゆる審議に入らさせなければ。実質審議に。

【三宅】それは、ちょっとすいません、それは国会の。多分、一般的には皆さん、国会の運営の中で何が起きているかあまりわかってないと思うんで、その、10日間暴れるっていうのは実際にはどういう?

【山田】いや、この前の国会の時も、「もう批准する、承認する」と、安倍さんはがんがん言ってたんだけど、結局、継続審議になって、出来なかったでしょ? あの時はこの黒塗りが発覚したことがあったけど、で、やっぱりいろんな問題あって、実質審議に入れなかったんですよ。

だから、実質審議に入れないように、ぎりぎりの日程ですから、10日頑張れれば、この会期中に審議して承認することは不可能だと。そういうことになる可能性は十分あるんですよ。で、あとそれを国民が、「これはほんとに大変な問題だ」っていうことがわかって、で、みんなで国会の外側で、安保の戦争法案の反対の時のように。

【三宅】デモですか?

【山田】デモやったり、で、みんなでアピール行動やると。そういう風になっていけば、世論も変わってきますよね。世論も変わってくれば、国会も。

【三宅】その11月の初旬に、人々が国会まで何万人も来るっていうとこまでの、ハードルがありますね。

【山田】そうそうそう。

【三宅】この1ヶ月。いやあ、戦争法案とかわかりやすいですもんね、ポイントがね。やっぱ戦争はイヤだっていうのは。

【山田】確かに、戦争法案っていうのはわかりやすいんだけど。しかしTPPはね、僕が最初に、6年前にTPPの時ね、これは農水大臣だったから、いろいろ言われた、農業の問題だから。

【三宅】担当大臣だったわけですよね。

【山田】担当大臣だったから。僕はそれで大臣辞めるんだけど、反対して。で、そん時に、「これは農業の問題じゃないんだ」と。「国の形が変わる問題だ」と。「日本の独立が失われる問題だ」と。そう言って反対運動を始めたんだけど。

「これまでの条約、いわゆる通商条約とはまったく違う」と。で、これ読んでもらったら皆さんわかると思うんだけど、本来ならばこれだけのことを6,300ページに、の、これは全部条約文章ですよ、法律の条約っていうのは。その条約文章に、これから日本の作る国内法は全部書き換えなきゃいけないんですよ。

【三宅】条約の方が上位だから、日本の法律の方をそれに合わせて。

【山田】合わせてしまわなきゃいけない。

【三宅】全部変えなきゃいけない。

【山田】うん。で、韓国は米韓FTA結んで既に4年だけど、もう200本ぐらいの法律を書き換えてますよ。だから、地産地消の学校給食も、できなくなってますよ。

【三宅】え、それはなぜですか? 法律で、もう。

【山田】うん。TPP協定でいくと、地産地消そのものがね、TPP協定違反なんです。いわゆる地元のものの産地表示もできなくなるんですよ。

アメリカのカーギルが、米韓FTA結ぶ時に、私に言ってたのは、「米韓FTAの狙いは、韓国の学校給食だ」と。

で、韓国だけじゃなく、韓国のそこの地元の業者だけじゃなく、そのTPP加盟国それ全部に対して、平等に全部入札。将来、英語と自国語でやらきゃいけないってことになっていくんです。

だから、そこの産地のものを使って、みんなで学校給食しようってのは、できなくなるんですよ。そうなると政府が、莫大な損害賠償を求められることになる。

【三宅】いきなり、もうどんどん話進んでますけど、多分、概要がまだ掴めてない人は、いろんなこの各論だけでも、まぁ聞けば、「えっ!」って思う話、多いと思うんですけど。

まぁ要するに、今国会で批准がされるんではないか? という流れになっていて。で、山田さんが今、「最初の10日野党が暴れれば」って言ってるのは、まぁいろんなその突っ込みどころをしっかり突っ込んでいく間に、本チャンの審議に入る時間を遅らせようというひとつの国会戦略の話ですね、野党側の。

【山田】そう、国会戦略なんです。

【三宅】で、とはいえ、採決されるかっていうことにもし11月の8とか9とか、この辺。まぁ(アメリカ)大統領選が8日なんで、ヒラリーさんもトランプさんも一応、「反対」って言ってるので、オバマ氏のうちに、オバマさんのうちにこれはもうアメリカ側は、答えを出したいとこだけど、どうやら出ないと。

で、TPPっていうと、よく、「アメリカがアメリカが」って言うけれども、アメリカといっても、もちろん一枚岩ではなくて。どのアメリカか? っていう部分で。

議会は、「TPPは国を壊す」として反対してるけれども、政府側、これはよりその業界側といいますか、超大企業、グローバル企業側の政府側は、それを批准させていきたいと、いう動きをしていて。

で、タイミングとしては、要するに日本とアメリカが両方入らなければ成立しない中で、日本が先に入るっていう、大統領選の前までに日本が批准するっていう、お土産をもし作れたら、結構それは日本としては、日本政府としては、アメリカのそっちの筋に対しては非常に顔が立つわけですよね。

【山田】そうだねぇ。

【三宅】ですよね。なんか、本を読んでても、どこだったかなあ、日本の側が関税を撤廃することで、逆にアメリカ側が追随しやすくなったりとかっていう、なんかそういう引き合いが、色んなところであるんですね。農薬の基準値とかも。

【山田】いわゆる農薬の基準とかは、アメリカ側に日本が合わせる。これはね。例えば安全基準、残留農薬とか。

食品添加物は、アメリカはいろんな食品添加物、1,500種類ぐらいあるんだけど。日本は結構厳格に、700種類ぐらいしか認めてなかったんですよ。これを、交換文書の中では44種類について、日本政府はアメリカ側の要求による44種類、さっきの書類についての添加物は、認めるって約束したんですよ。で、約束の文書が覚書に入ってるんですよ。

だから、その安全基準をどうやって決めるか? これはね、強制規格。いわゆるTPP協定のTBT(つまり、非関税障壁のこと)の章の中に、第8章の7条にあるんですけど。

国が法律で、例えばこれ以上の安全、残留農薬については0.5ppmじゃなければ、これは使ってはならない、食べてはならないという義務付けを、法律で強行する場合は、これは強行規格になるわけですよ。

例えば、遺伝子組換え食品は表示しなければならないっていうのは、強制規格になるわけです。で、食品の表示も強制規格なんです、義務付けは。で、この強制規格を決めるには、アメリカなどの利害関係者の意見を考慮し、第7条にはね、意見を聞いて考慮し、で、アメリカ、他の国のものを入れて政府を入れて、そこで決めなきゃならないという風になってるんです。

【三宅】そこにはでも、『モンサント』の人とかも入ってくるわけですよね?

【山田】そうそう、もちろん。

【三宅】その委員会の中に。

【山田】そうですね、委員会の中っていうか、食品安全委員会は別途日本だけでやるんだけど、いわゆる食品安全委員会に出す審査書類、それは、『モンサント』などの意見を聴取し、意見を考慮し。で、まぁだいたい委員会っていうのは、そういう出された最終報告に対して承認するだけですからね、今の日本の委員会ってね。で、そこで決めちゃう。今までは、日本独自で決めてきたんです。

【三宅】添加物、残留農薬、遺伝子組換え食品の表示、また、産地の表示。

なんか、農薬は、残留農薬に関しては日本はちょっと基準が、ニュージーランドとかヨーロッパに比べると甘いとかっていう話もあったりとかされてきた中でも、さらにそれを超えて、高い数値にもう統一しようっていうことですよね? 例えば農薬に関しては。

【山田】そうそう、農薬に関してはアメリカが一番ゆるいんですよ。

【三宅】その基準に、もうしてしまおうと。

【山田】その基準にしてしまう。

【三宅】それが、ラウンドアップ。

【山田】そうそう、遺伝子組換えの。

【三宅】残留グリホサート濃度でいうと、20ppmに引き上げると。今、他の国は0.1ですもんね。で、日本は6ppm。これを20まで引き上げることになってるわけですよね、もうね。

【山田】だからどんどん。この大体、TPP協定やろうとしてるのは、アメリカの600社の大企業っていうのは多国籍企業なんですよ。まぁ化学会社、『ファイザー』とか、『デュポン』とか。で、それこそ、『モンサント』とか。そういうところが農薬を作って、そういったものを日本が売り込み先だから、そこでやろうとしてるわけで。

【三宅】日本が主な売り込み先なんですね? それはもう明白に。

【山田】うん。今まで、アメリカに私が何度も行って、SBSの時も行ったんだけど。「小麦だけは遺伝子組換え食品は作らせない」と。「小麦だけは遺伝子でやらない」で、「なんで大豆ととうもろこしは遺伝子でやってんだ?」と言ったら、「あれは家畜が食べるものだ」と。アメリカの政府高官は必ずそう言ってたけど。この前行ったら、全米小麦協会のトレーシー会長が私に言ったのは、「小麦もこれから遺伝子開発へやります」と、びっくりしましたけどね。

ところがその後、朝日新聞に大きく、「枯れぬ小麦、ミシガン州」っていう記事が載ってましたけど。ということは、遺伝子組換えの小麦はすでに作られてるんですよ。で、それはいつまでも青々として枯れないんだよね、小麦が。気持ち悪いよね。

で、この前、全米小麦協会の会長が私に言ったのは、「これはアメリカでも結構ね、遺伝子組換え食品については抵抗あるんですよ。バーモント州(バーニー・サンダースの地盤である地域)とか、いろんなところで。だから、これは日本がいわゆるターゲットである」と。「日本に輸出して日本人に食べてもらう物だ。食べてもらうんだ」と、平気で言いましたよね。

で、実際に、じゃあTPP協定どうなってるかっていうと、第2章の27条だったと思うけど、いわゆる遺伝子組み換えそのものの名前、定義とか、そういう言葉自体が、これまで世界で何百本も結ばれた通商貿易協約の中で初めてなんですよ。

で、この第2章27条だったと思うけど、その中に書いてあるのが、いわゆる遺伝子組み換え食品について、いわゆる貿易を回避したりしてはならない。新規遺伝子組み換え食品については、早期に承認しなければならない、というかね。こういう書き方だったと思ったな、「新規の承認については促進しなければならない」と。遺伝子組み換え食品について。だから、入れていくんですよ日本は。それを約束してしまっているわけだよ、TPP協定では。

【三宅】TPPはもう遺伝子組み換えイチオシですもんね。TPP条約は。で、アメリカの政府の見解も、遺伝子組み換え食物は、まぁ別に身体に著しく悪いということは立証できないし、むしろ世界の人口増加に対応する素晴らしい技術だ、ぐらいの見解を出してるわけですよね。

だから、じきに日本政府もそういうようなことを、踏襲(とうしゅう)していくっていうことは濃厚な中で。いや、これもほんとに、まず遺伝子組み換えの、今は豆腐でも納豆でも裏を見れば、「大豆、遺伝子組み換えでない」と書いてありますけど、この表示すら必要なくなるということですよね。

【山田】そうそう。その任意に、「これ、遺伝子組み換え商品でありません」という、NON-GMの表示、これもできなくなる恐れがあるんです。

【三宅】これすら、もう抵触して、場合によっては訴えられてしまうっていうことですよね。

【山田】アメリカも、アメリカの中央政府、アメリカ政府。地方ではいろいろバラバラなんですけど。下院議院で通りましたけど、「ダーク(暗黒)法案」と言われてるんだけど、「遺伝子組み換え食品を表示してはならない」で、「遺伝子組み換え食品ではないという表示してはならない」という、その法案がどうやらアメリカで可決されそうなんだ。

だから、日本でもいずれ、強制規格、任意規格の適合性評価手続のところを読んでいくと、条文をね。で、日本もいずれ、「これは遺伝子組み換えの食品ではない大豆を使った納豆です、豆腐です」という表示もできなくなる。

【三宅】そもそも、国産とかっていうことも、もう書かなくて良くなるっていうことだし。

【山田】ということになりますよ。

【三宅】アメリカのスーパー行ったら、意外と、意外とっていうか、そもそも遺伝子組み換えの表示もなければ、産地の表示も基本的にないのが、既にアメリカではもう普通ですよね。だから、そのスタンダードに日本もなるぞ、という。

【山田】アメリカではほとんど表示なされてない? そういうもの。

【三宅】なされてないですね、既に。

【山田】TPP協定読んでいくと、こういう附属書が出てきたんですよ。「包装された食品に関する附属書」っていうんで。で、なに書いてるか? って見ると、「商業的利益を元にして正当な目的を有する表示に限る」と。表示。

【三宅】どういうことですか? それ。

【山田】ね。よくよく読んで考えてみたんだけど、例えば、よく日本のスーパーとかいろんなとこ行ってるけど、時々、「これは化学肥料は1回しか使ってません」と。「農薬も1回しか使ってない」「どこどこ産地のもの」「どのように作られたもので安全なものである」とか、「どういう農法で作られたものだ」とか、そういうもの、そういう表示は一切不必要な記載だと。で、もしそれをやったら、国際的にISD条項でアメリカの。

例えば、僕は1回、ブロッコリー。カリフォルニアでブロッコリーの生産現場まで行ってきましたけどね。で、今は、僕の田舎の五島列島でも、アメリカのブロッコリーがスーパーに並んで、青々しゃんしゃんとして2年間変わらないんで、2年間? 2週間も変わらない。でも、沖縄の君たちのところでブロッコリー作ったやつは、多分3日で黄色くなるはずなんだ。

【三宅】そうですね。

【山田】これはね、なんか使ってるだろうと思うんだけど。そういうブロッコリーのアメリカの会社にしてみりゃ、国産の表示をしたブロッコリー、産地の表示をしたブロッコリーってのは、それだけ売れないんだ自分のものが。自分とこの、カリフォルニア産のブロッコリーが。そうなったらISD条項、投資家対国家の紛争で、日本政府を何千億というお金を訴えてくる事になる。記載したら利益が得られなくなるから。

【三宅】「商売の邪魔をするな」という事ですよね。

【山田】そうそうそう。だからこれから、どうもTPP協定読んでみると、「表示してはならないんだ」と、食品については。単純にこれは何何の食品であるという事の表示しか、将来出来なくなるんじゃないかっていう不安を感じましたね。これはね。

【三宅】まぁそもそも大豆が、米も聖域とはいわれますけど、僕は、味噌、醤油、納豆、豆腐。なんか、日本人としては大豆が自給率100%じゃないっていうのは、何とかならないもんかなってよく思うんですけど。まぁ、それとは程遠い話になってきますよね。

【山田】そうだね。

【三宅】で、もう、遺伝子組み換えであろうが、どこの産地の物であろうが、もうそれがブレンドされてごちゃ混ぜになってても、まぁ同じ大豆でしょと。大豆は大豆だという、すごいなんかモノクロの世界になってきますよね。

【山田】そうですね。まぁ、この前沖縄で、あなたのうちに泊まらせてもらったけど、前に畑があったじゃない? 

【三宅】沖縄の本部町という、大変田舎の家で、山田さん来て頂きましたけど。畑ね、はい。

【山田】うん。結構、野菜みたいのがあったけど。で、まぁ、我々ってのはやっぱり土っていうかな、こうなんかこう、農業とかね漁業とか、で、自然とか、そういったものを大事にしたいなあと思うけど、なかなかそういったものがね。

【三宅】今、僕、住所は那覇なんですけど。5年ぐらいあの家に住んで、沖縄の北部の方の田舎の家なんですけど。畑があって、で、山田さん朝起きて、確かね、オクラを枝から取ってそのままかじってた気がするんですよね。

【山田】あ、オクラだったな。

【三宅】オクラ食べてましたよね。で、まあちょっと自然農なんていうのを、僕がかじり出した頃で。で、花がいっぱい咲いてたんですよね、さし草っていう雑草というか野草の花がいっぱい咲いてて、山田さんがポソっと、「ここに巣箱を置いたら蜂蜜が取れるよ」って呟いた時に、さすが元農林水産大臣だなと思いましたけどね(笑)、ここで養蜂の話がばっと出てくるんだなっと思って。でも、なるほどそういう事かと思いましたよね。あれだけ蜂がいて、花があったら。だから、僕それ以降、まだ養蜂やってないんですけどね、養蜂いつかやってみたいなと思ってて。

【山田】そうだね。

【三宅】いや、なんかね、今、自分のような世代の人間の中には、従来の慣行農法ではない、オーガニックやナチュラルの農業で、なんとか身を立てようとか。そういう新しい、農”業”じゃない、農の在り方というか。なんかそういう事にチャレンジする人が増えてるんですけど。

特にやっぱり原発、震災。原発事故と震災以降、生き方を探し出して、で、オーガニックやナチュラルな農業にチャレンジしてる人もいるんですけど。彼らからよく聞くのが、「TPPが批准されたら、やっぱ家庭菜園とかどうなるんだ」と。で、アメリカでも実際、家庭菜園禁止法というのが、寸前のところで可決されそうになったりとか、っていう経緯は今までもある中で。政治的な運動とかそういう事にエネルギーを割くよりも、田んぼを着々やったりとか、そういう事の方が、なんでしょう、世の中の為になるというか、やっぱりどうしても政治的な方に火がつかないけど、まぁ忙しいじゃないですか? 農業やってると。

でも、なんかTPPってもしかして、今ここでみんなが、いや、これは政治的にも止めないと、ひとつはそういう法律が作られて、小規模の農家がまかり通らなくなるような、特に個人で家庭菜園で食べ物を採るとかっていうことが、著しくやりにくい時代になる可能性とか。

あとは、遺伝子組み換えの作物が持ち込まれて交配してしまったら、かなりのエリアで逆にオーガニックの有機の作物とかほど、影響を受けやすいんじゃないかと思うんですけど。だからそれって結構、なんですかね、話の上だと映画のような話なんだけど、実際問題、もう数年後にはそういう世の中になってるかもしれないっていう。

【山田】そうだねぇ。

【三宅】危機感を、やっぱり持ったほうがいいだろうなあと思って。

【山田】そう。いや、そうなってしまうんじゃないかな、このままでいくとね。で、ほんとに、農業がどうなるかっていうと、例えば今、ハノイ。まあベトナムで、コシヒカリ作ってるんだ。で、10万トンぐらい作ってる。ところが三毛作じゃない? ベトナム。で、そこで、コシヒカリ5キロ50円で売ってる、ネットで。5キロ50円で、コシヒカリだよ。それが、日本に入ってくるんだ。そうなったら誰も米を作る、中山間地で農家いなくなる。

【三宅】人件費が何十分の1みたいな国で作ったお米が、まあ同じラインで勝負しなきゃいけないっていう。

【山田】そうそう。

【三宅】それは確実に崩壊しますよね。

【山田】しかも、年は1回だけど日本は。向こう(ベトナム)は年に3回採られるんだ。同じ畑で。

【三宅】三毛作。

【山田】三毛作。だから、日本の農業は太刀打ち出来ないんだよ、稲作は。その時、米を作る農家はいなくなる。あと20年後には。みんな買って食べるようになる。

【三宅】それがもう常識化されていくと、それに疑問を持つ人とかも、そのね、将来の若い人には減ってくだろうし。

【山田】だから、君たちの年代だと、昔はいっぱい魚屋さんやお酒屋さんとか、タバコ屋さんとか、駄菓子屋さんとかいろいろあったけど、米屋さんもみんな消えたし、酒屋さんも消えてしまったし。

【三宅】そうですね。

【山田】ね。あっという間だったでしょ、この20年で。

【三宅】うん。みんなコンビニに転身したりとかで、生き残りをはかったりとか。商店街もほんとに無くなりましたよね。

【山田】うん。あれはアメリカでいわれて大店法(大規模小売店舗法)を入れてからなんだ。大型店舗、これはね。だから、大資本で大規模で、で、ほんとに中小のそういうものが無くなる。

本来、農業とか漁業っていうのは、家族農業、家族漁業でなきゃいけないと僕は思って。農水大臣やったから。アメリカのような企業型じゃなくて、ヨーロッパのように家族農業で所得補償やって、そういう農業を僕は大臣で目指して、農家に直接支払いの個別所得補償やったんだ。で、土木事業なんかやらずにね。ただ、たった1年で17%所得が上がったことがある。

だから、ほんとはそうすれば、日本の農業も漁業も、第1次産業は生き残るんだけど、このままでいくとほんとに消えていく。日本から稲作文化、水田が消えていく。祭りも消えていく。田舎が消えていく。田舎に残されている教育学校、どんどん今、沖縄でも閉校とか閉鎖とかなってなかった?

【三宅】学校ですか?

【山田】学校。

【三宅】その、過疎化してというのは、ちらほらやっぱありますね。

【山田】あるよね。で、僕の田舎もずいぶん小学校消えていったけど。アメリカがね、公立学校、小学校、中学校を、4年間で4千閉鎖したの。で、民間の株式会社に全部委託したんだ。

で、結局まあそうなって、30万人の教職員クビ切られるんだけど。どうなったか? っていったら、残された公立学校は荒れた学校で、授業を受けられない。だから、田舎でも採算の取れない公立学校は閉鎖され、金を持ってる人はそういう私立校、私立の小学校、中学校に行くっていう形になって。金を持ってないと教育を受けられないっていう田舎になる。

例えば沖縄の水道事業、那覇の場合、今どこがやってる?

【三宅】那覇、那覇は水道事業は、地域の行政がやってますね。水道局の。

【山田】水道局やってるよね。市がやってる、これはね。ところが今回TPP協定で、いわゆる政府調達、これに入るんだけど。これが全て民営化。いわゆる郵政みたいに株式会社にして。で、この2013年だから、今から3年前にTPP協定を安倍さんが結ぶ前に、麻生副総理がアメリカに行って、業者をみんな集めて、なに言ってきたか? っていうと、これは一部の新聞だけが報道したんだけど。

【三宅】マイケル・グリーンさんも一緒に、みたいな会見やってましたよね。

【山田】そうそうそう。で、その時に、「日本の水道事業は全て民営化する。どうぞ」と言って、アメリカで約束してきたんだ。

【三宅】言ってましたね。うん、僕もYouTubeで観て、びっくりしましたね。

【山田】ああそうか。

【三宅】なんか、根本的に、これはすごくみんなの為になることをやってるんだ、っていう顔でおっしゃってたんで。根本的に多分勘違いしているんじゃないかなあと思って。実際、麻生さんも、なんかその、CSISとかの人たちに何を吹き込まれているのかわからないけれども、この危険性が多分違う、わかってないんだろうな、っていう風に僕は思いましたね。

【山田】水事業で1番有名なのはアメリカの、『ベクテル社』だけど。

【三宅】ベクテル。

【山田】で、ボリビアで、それこそ水道事業を買って、たった100ドルとかいってたよね?

【三宅】ボリビアで、水がすごい。水道事業が民営化になって暴動が起きたりとか、武装蜂起がおきたりとかっていう事になってますけれども。

【山田】水道料金が給料の3割近くまで上がって。そして、しょうがないから、雨水とかバケツで水を取ろうとすると、「雨水もウチの会社の権利だ」って言って徴収されて、ついに暴動が起こったって。

日本でも、今、フランスの有名な会社で、これは放射能の処理なんかもやってる会社で、それが松山の愛媛で受けてて。

【三宅】『ヴェオリア』でしたっけね?

【山田】そうそうそう。だから、どんどん水道料金が上がってますよね、今。

【三宅】やぁほんと、水みたいな重要なインフラを外国の企業に簡単に渡すっていうのは、ちょっと、「国防」とか言っている人たちの割には、脇が甘いんじゃないかなって、僕は今の政権に対して思っちゃいますけどね。

【山田】那覇もそうだよね? で、公共事業って、例えば沖縄でもそうだけど、私の田舎の五島列島でもそうだけど、地方ってのは公共事業を、地方の土建会社とか建設会社とか設備会社に資材を取ってもらうとか。それで、地方をなんとか活性化させる。ということを一生懸命やってきたんだ。これはね。

だから、地方の中小企業活性化条例とか。で、公契約条例とか。いろいろやってきたんだけど、それができなくなるよね。今度のTPP協定、読んでみるとひどいんだ。公共事業もそのうちあと3年もしたら、那覇も英語と自国語で、外国会社にも平等に入札させなきゃいけなくなる。

【三宅】地元優遇っていうような考え方自体が、要するにもうそういうグローバルな通商の阻害になっているから、「それはだめですよ」という。

それは漁業もそうですね? 沿岸部の、当然、今まで漁業でいえば沿岸地域の漁民が、そこの海域での漁業を優先的にっていうのが、まぁ当然だと思うのですけど。そういうのも、もっと大きい資本の大きい船が外国からドーンと来て、同じように同じ場所で競って、たくさん獲った方が勝ち。というようなことが起きても、構わないんだっていうことにも。

【山田】そうそう、内国民待遇。

【三宅】うん。内国民待遇。

【山田】で、そうTPP協定で書かれているっていう。「そのようにしなきゃならない」ってなってるんだ。

【三宅】と、なっている。うん、無茶苦茶ですね、ほんとね。

【山田】ね。こうなると地方は消えていく。

【三宅】うん。消えちゃうんですかね。どうなるんだろう。

【山田】どうなるんだろう。

【三宅】ものすごい広大な単一作物の畑が、飛行機で農薬撒くようなというのが、例えば九州とかで展開されちゃったりするんですかね? それはあり得るんですか? 日本には向いていないっていいますけどね、ああいうのは。

【山田】アメリカは、日本で遺伝子組み換えの稲を開発しているから。将来、企業としてやりたいと思っているようだけど。ただ、どうだろうなあ、日本の農地の7割は中山間地域なんですよ。

だから、アメリカとかは1個の農家は200ヘクタールぐらい。オーストラリアは農家ひとつの面積が3,000ヘクタールだから。日本とは桁が違うからね。

【三宅】じゃあ、安倍さんが言ってる、「1兆円規模の輸出産業に日本の農業をするんだ」というのは。

【山田】あれはまったく、まやかし。

【三宅】まやかし。それはどういう意味で言ってるんですか? あれは。

【山田】あれはね、1兆円というのは、確かに1兆円なんだけど、実際の生鮮の農産物っていうのは、政府も認めたけど350億円なんだ。あとは、ポカリスエットとか清涼飲料水とか。それをあわせると、確かに1兆円ぐらいになるんだ。

【三宅】加工品とかになってる物も入れて、「1兆円」と言っているに過ぎないってことなんですね。

【山田】だから、日本の農産物が人件費も高い、価格も高いのに、いくら品質が良いからといって、表示も日本産のものだと表示もできないのに、売れるわけないじゃない?

僕は農水大臣の時に、ずいぶん輸出に向けて頑張ってみたけど、やっぱり中国辺りはやっぱ、梨ひとつにしたって入れてくれないし、難しいよ。

【三宅】ま、理想的には、食べ物はなるべく近いところで、地産地消したものを食べるのがきっと体にもいいし、地域の経済にとってもいいし。

だから、そういう事がほんとはもっと推奨されてなきゃいけないっていう、シンプルな政治の役割っていうのも機能しなくなりますね。

【山田】そうですよね。それともうひとつ、三宅さん音楽家、ミュージシャンで。もうあちこちで歌を歌ったり、みんなに語ったりしてるよね?

【三宅】「語りが長い」ってよく言われます。「早く歌え」って言われるんですよ。

【山田】(笑)でも、その語り。私もそうだけど、いろんなとこで話するときに、やっぱりいろんな人の意見を聞いてそれをシェアして。で、自分でコピーを取ったりして、これを参考にして話したりするじゃない?

で、そういう場合に、例えばこういう本でもそうだけど、コピー取る、コピー取ってみんなで、じゃあ、資料としてみんなで会議しようっていうので、よくみんなでコピー取るんだけど。電磁的な一時的記録、これも著作権法違反なんだ。書いた人の承諾がなければ。そうすると、今度の国会で今度提案されてるんだけど、これが親告罪から非親告罪になるんだよね。これは大変なことなんだ。

【三宅】つまり著作権を持ってる当人が訴えなくても、警察が、例えば警察が自分の判断で、「いや、それは違法ですよ」と。立件してしまうことができるということ。

【山田】で、私を逮捕することができるみたいな。私は結構、結構いろいろFacebookで書いたりして、新聞記事シェアしたり。だから、新聞社が私を刑事告訴しなくても、「著作権法違反だ」と、私をすぐ逮捕できるんだ。

これね(手錠のしぐさ)で、君だっていろんな人のコピー取ったりして、いろいろ拡散したりした場合には、「著作権法違反で三宅君逮捕される」っていうことになりかねない。いわゆる、特に反政府的な言動を吐いてる、私とか君とか。

【三宅】(笑)反政府的な。はい。

【山田】しかも、非常に怖いのはね、その条文の中に、「刑罰については拘禁刑と罰金を併科しろ」と。「罰金においては高額にすること」と。これはね、だからかなりの懲役の他に、かなりの罰金も払わされる。払えないような。

で、実際に著作権法違反のアメリカの裁判、見ると、今、日本では実際に起きた損害だけだから、慰謝料としては20万から30万がせいぜいだけど。アメリカでは2,000万、3,000万、1億、2億って。

で、そのように法廷賠償金制度にして、TPP協定では。で、「将来の利益に対しても損害として換算しろ」と書いてるんで。そうなると、下手に本を書くときに、他人の文章を利用したりできなくなるね?

で、今まで言論人、例えば『報道特集』で古舘さんの番組で、あの何とかさんていう記者が、練炭自殺したじゃない?

【三宅】うんうん。

【山田】ね。

【三宅】ディレクターが。はい。

【山田】で、そういう人がもう、私の知ってる聞いてる人だけでも3人いる。練炭自殺。練炭自殺するような人じゃないよ。

で、あとはね、わいせつ罪勢3人いる。植草先生とか。で、わいせつ罪は強姦は告訴罪だけど、わいせつ罪は、親告罪になってないから、いわゆる告訴しなくても、わいせつ罪だったら逮捕できるし。なにがわいせつか? って曖昧じゃない? 肩を触ったりしたらおっぱい触ったって、じゃあ逮捕された方はおっぱい触ってませんっていうことを立証できない。

【三宅】サッカーの、ハンドか? ハンドじゃないか? みたいな審判が欲しいみたいな感じですね。

【山田】そうそうそう。だからそれで、いわゆる反政府的な言動やってきた連中ってのが、今までやられてきたんだ。これからは著作権法違反で、通常、誰でも逮捕できる。 

【三宅】冤罪がもう必要ないってことですね、もうね。この著作権のことでもうFacebookのシェアひとつ、ブログの文章ひとつで、「それは違法行為です」ということを、しかも、申告がなくても当人の訴えがなくても犯罪にできてしまうと。

【山田】うん、警察の権力で、検察の権力で。

【三宅】もう完全に、まな板の上のなんとやらという状態に、なってしまいますよね。

【山田】そしたら完全に言論の自由、表現の自由がなくなるわけだ。だから、これまでのように、君も勝手なこと言えなくなる。僕も勝手なこと言えなくなる(笑)

【三宅】もう十分言ったから。こっからって事ですか? これまでのやつは大丈夫なんですか?

【山田】これまでは大丈夫。

【三宅】あ、本当ですか。じゃあちょっと黙ろうかな(笑)

でも、ほんとに想像できない世の中ですよね。このTPPがやろうとしていることっていうのは、なんかこれまで商業主義とか資本主義っていうのはなにか自由で、なんとなくその対照的なものが社会主義や共産圏の国々で、すごく制約の多い社会、全体主義っていう20世紀的な価値観があったと思うんですけど。なんかTPPのことを通じて見えてくる世界っていうのは、まぁ本当に超大企業と、その背後に連なる国際的なメガバンクですか。

【山田】そうそうそう。金融資本。

【三宅】なんかこういう人たちが、もうどんどん会社を合併して合併してM&Aして。なんかもう、業界構造も多様さを失って、どんどん1個か2個の大きい会社に集約されていく。で、そういう産業のあり方で世界がまわる。これはある意味、商業的な全体主義になっていくから。まあ、いろんな言い方してる人がいますけど、商業的社会主義って言い方をする人もいるし。

【山田】本来ならば独占禁止法が戦後あって、機能してきたじゃない? 大きい財界の大きな会社は全部分割されて、で、独占禁止法ができて、ひとつに富が集中しないようにと。みんなに平等にって。戦後の憲法下でやってきたわけだ。だから憲法の、憲法の条項にもこれは反するんだけど。これはね。

で、実際に、まさにそういう意味では、1部、1%の富、ウォール街、アメリカの金融資本。これが世界を丸呑みしようとしてて、我々アメリカ国民も、我々日本国民も99.9%の人が、みんな身ぐるみ剥がれてしまう。で、食うに困る。息するにも困ってくるっていう。

【三宅】で、財産もしっかりとデータで管理されて、マイナンバーとかね。どんどんこれも、じわじわと広がっていくんだろうし。

【山田】少なくとも、まあ若い人たちのネットの自由が今まであったわけじゃない?

【三宅】報道の自由はあるかはよくわからないけれども。ネットにはまだ自由は、まだあるかなっていうのも、失われていくわけですね。

【山田】失われていく。メディアが、テレビとか新聞が本当のことを報道しなくなって、結構長くなるじゃない。ところが今回TPP協定読んでみると、第18章の80条に、政府が、中央政府が各国、法律を作って、で、政府の認めるソフトウェアやシステムによるいわゆるネット、それでなければ、それに対して管理、いわゆる管理・監視できる。いわゆる、ネットの自由も、政府の意に反しては出来なくなり、ネットの自由も全て監視され、全て管理されている、という状況になるようにTPP協定は作られている。

【三宅】もうずーっと、あれですね、ボディブローをくらい続けたような状態に、今、ご覧になってる皆さんも。もう希望のない話のようになってきますが、山田さんこれ、止めなきゃいけないですね。ほんとに。

【山田】うん、止められますよ。

【三宅】「止められますよ」って山田さんが言うと、止められる気がしてきます。

【山田】で、アメリカあれだけ反対してるんですよ。

【三宅】アメリカ行きますよね?

【山田】うん、もう10月。

【三宅】10月の冒頭から。

【山田】うん、10月3日からアメリカ行ってきて。

【三宅】僕も、願わくばご一緒したかったんですけど、ちょっと今回行けそうにないんですけど。1週間ぐらいに渡って。

【山田】うん。で、なんとかバーニー・サンダース、今、ヒラリーの応援に入ってると思うんで、なんとか会って、「日本に来てください」と。「日本の若者と直接話してください」と、そうお願いして来るつもりで。

【三宅】11月の頭にきてくれたら最高ですね。

【山田】うん、そうだね。

【三宅】確率は何%ぐらいですか?

【山田】まだ、会うと確約ももらってるわけじゃないんで、無謀な話なんだけど。でも必ず会って、頼んでくる。

【三宅】うん、うん。バーニー・サンダース候補が、まあ降りて、党の綱領にいくつか自分の政策をねじ込んだ形になりましたけど。やっぱり明白にサンダースさんは、TPPを。

【山田】反対。

【三宅】反対で、やっぱり止める為の、ある種の仕掛けというか、ま、人によってはもうあの降りたっていうのは、ほぼTPPを止める為の、彼なりの戦略だったんじゃないか? っていうことを言う人もいるぐらいですもんね。

【山田】バーニー・サンダースとエリザベス・ウォーレンさんてのは、もう最初からTPP反対で。まあ大統領選挙に出る前から、ガンガンやってた人だから。だから、いよいよアメリカもトランプも、「断固反対」と言ってるし。だから、アメリカも批准できないのに今度の国会で日本だけ批准。ねぇ? さしちゃならないし。出来るわけないと僕は思ってるんだけど。

【三宅】そうですね、その状況で日本だけフライング気味に批准を決めるなんていうのは、ちょっと、あんま考えたくないことですよねえ。

【山田】そうだね。まあ実際に、実際にそうなんだけど、オーストラリアもベトナムも、この7月に批准しようかっていう話があったんだけど。引っ込めて、来年批准するって。みんなアメリカの様子見てんだ。日本だけが、この10月に最初に批准してしまうってのはおかしいよ。これはね。

【三宅】言ったらあの遺伝子組み換えなんて、もう中国やロシアに至っては、生産も。

【山田】販売もしないって。

【三宅】販売も禁止ですよね。だから、まあ自分の国のことを考えたら、普通に、「それは選択しないでしょう」っていうことを。のオンパレードですね、TPPは。

だから、構造としては条約は、憲法の中では国内法より上位にっていうことが日本国の憲法でも定められているので。極端な話、最高裁が出したある判決すら、ISD条項によって企業が。

【山田】ひっくり返す。

【三宅】国を訴えて、ひっくり返すことができてしまい。ニュージーランドなどでは既にそういう事例がもう発生してるわけですよね。

で、まあ当然、日本の食糧の自給率は激減するでしょうから。胃袋を、もうアメリカとか大型農業やってる国につかまれてしまうっていう意味では、もうなんか古い兵法でいえば、兵法書に則っていえば、もう戦に負けてますよね。

【山田】そうそう。アメリカはTPP協定の中で、自国の食糧が大変なときには、他の国に対する輸出を止めることができるって協定書にあるんだ。

だから、日本がアメリカの食糧を頼りにして、自国の食糧が滅びちゃったときに、アメリカが蛇口を締めてしまったら、日本は全部飢え死にしてしまう。

【三宅】まあ、気候変動も激しい中で、いつアメリカが飢饉になるかもわからないし。

【山田】だから、大変なことだね。

【三宅】ほんとですね。なんか、今、自分がですね、政治的に、政治的にというか、国づくりですか。こういう国になったらいいなって思うビジョンとは、ほんと真逆のことだらけで、TPPっていうのは。

まあ、そもそも国っていうのが、もうちょっと形骸化しちゃいますね。うん、憲法も含めて。だから、立憲主義に対する大挑戦ですね、これは。

【山田】だから僕はもう、もう来年75(歳)だから。僕らの世代はまだいいとしても。君たち、若い世代ね。これからの世代、まぁ私の孫とか、そういった者にとって、大変なことになるなあと思ってね。

だから、今、若い世代も我々も一緒になって、この国の危機をね。

アメリカのトーマス加藤から私にメールがきたのは、「明治維新、幕末以来の日本の独立の危機じゃないか?」と。

【三宅】幕末以来の日本の独立の危機?

【山田】うん。

【三宅】国家主権が問われてるぞ、と。

【山田】「それなのに、なぜ、日本の若い人たちは騒がないのか?」と。

【三宅】テーマが多すぎて、なにか、もうなにについて騒げばいいのか、よくわからなくなってますよね。原発再稼働反対っていうのは一瞬、盛り上がりかけたけど。やっぱり、大飯の再稼働とか、なんかこう、騒いでも無駄なんだっていう。

【山田】諦め的なね。

【三宅】うん、なんかそういう思いを、みんな1回しちゃったんでしょうけど。まあでも、一応、平和的な訴え方の限界点としては、ものすごいたくさんの人が国会を取り囲んだりとかっていうのは、最終的にはひとつの政治的なアピールになるだろうし。

【山田】なるよね。これ、最初からこれを反対運動をやっていたニュージーランドのケルシー教授がいるんだ。で、僕は6年前にニュージーランドのケルシー教授の『異常な契約』って、これよりもっと厚いんだけど、その本を日本語に翻訳をお願いして出版したことがあるんだ。

で、ずっとケルシー教授とはこの6年間、一緒に反対運動やったんだけど。今度30日、日本にケルシー教授来てくれる。

【三宅】10月の30日?

【山田】うん。で、ひとつ、「若い人たちに訴えてくれ」って僕は頼んでんだ。

で、みんなその、ほんとにこのグローバリゼーションていうか、ウォール街の、で、それに対して、ほんとに1%、99%のそういう問題よね。ひとつ、ぜひ若い人たちに語りかけて、僕は君に頑張ってほしいなと思ってんだ。

【三宅】はい、頑張ってます。

いやもう、アメリカではオキュパイウォール街っていうことが起きて。6、7年前ですかね?

【山田】そうそう。

【三宅】で、あれだけ長期に渡って、ウォール街を若い人たちが占拠して。おそらく日本で、あれで何が起きてたのか? っていうことをつぶさに理解してる人は、意外と少ないと思うんですよね。「なんか起きてるらしい」ぐらいで。

で、結局じゃあ、もう今、集まってないわけじゃないですか。だから、あれはじゃあどうなったんだ? っていうと、やはり、バーニー・サンダースっていうあの旋風を起こす、ひとつの伏線だったんですよね。やっぱりね。

オキュパイウォールストリートで動いた若い人たちが、今回のバーニー・サンダースのキャンペーンの、やっぱり主軸になっていった人たちも多かったっていうところで。

やっぱり、その訴えてることは明確ですよね。グローバル企業による一極支配の世界を、民衆の側に取り戻していこうっていう。

【山田】TPPはまさにその真骨頂だ。

【三宅】ですよね。だからその運動を、運動なのかキャンペーンなのか、ムーブメントなのか、ただ、もうみんなが知って、気づいてしまえばいいのか。

とにかく、日本でも何かが起きていかないと、このままヌルッと事が進んでいくと、憲法の改正問題にもそうですけれども、一旦変えられたり、一旦批准してしまってからそれを止めたり、また変えるっていうことはすごく大変になるので。すごく、今が大事だよっていうって話しですよね。わかっちゃいるんですけどね。わかっちゃいるんですけどね。

【山田】確かに、多岐に渡っているから、どう説明したらいいかわかんないけど。

【三宅】じゃあ、でも11月の8とか9に、まかり間違って、10万人とか国会のまわりに人が集まったら。

【山田】そりゃ、全然違う。

【三宅】違います?

【山田】はい。

【三宅】いやでも、今日もそろそろ神宮球場の最終戦ぐらいだと思うんですけど、野球場ってのはすごいですね。毎日、130試合も40試合も、何万人規模の人集めて。なんか、流れでみんな、国会前へ来てくれてもいいんじゃないかとか。そのぐらい、あの。

【山田】大事なもの。

【三宅】うん、大事だし。日常的なトピックですよね。このTPPが扱っていることっていうのは。で、農業だけではありませんよと。漁業もそうだし、知的財産権とか医療は当然ながら、ほとんど全部ですね。僕らの生活にまつわる、有形無形のいろんなサービス、商品、商業に関して、食べ物、農業、ほぼ全てに渡って、このTPPという、ある種、新しい商業的憲法ですよね。それが。

【山田】上に来るんだな。

【三宅】立憲主義の国家の憲法より上に来ますよ、と。だから、他の国の人はあんなに反対してるわけですよね。

【山田】ほんとに、そうそうそうそう。

【三宅】で、なんとなくわからないで、反対運動が盛り上がってないのは日本くらいで。これ、また別のテーマですけどね。日本は何でそうなのか? っていうのはTPPに限らず。

【山田】まあ、ひとつ、あなたに期待してる!

【三宅】ありがとうございます。

TPPを批准させない! 10.15 SAT 1万人行動

10月15日、山田さんが参加を呼びかけている大規模な集会があります。ぜひご参加を!
https://www.facebook.com/events/879831698814957/
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